初代学長 近藤元次先生(昭和55年) 現学長・2代 小澤普照(平成6年)
第23期受講生に適用(14年2月入学)佐渡林業実践者大学カリキュラム
1 実施方針
現在の佐渡における林業の抱える大きな課題として
@ スギ人工林の整備
A 松くい虫被害の防止と被害跡地の再生
B 天然林資源(広葉樹資源)及び竹林の活用
C 特用林産物の生産振興
D 地域材の需要拡大
があげられる。そこで、第23期佐渡林業実践者大学では、@ スギ人工林の整備をテーマとして取りあげ、島内の未整備スギ林をフィールドとして設定し、年間をとおして必要な知識と技術の習得しながら,スギ人工林の整備に取り組むこととする。
2 カリキュラム
第1回 4月下旬 林業の基礎知識 ( 森林の機能、樹木の成長と森林の構造、森林の発達と遷移等)
第2回 6月上旬 森林の調査、計画 ( 森林計画・施業計画、
森林の調査 (測量、蓄積,密度等))
第3回 7月下旬 人工林施業技術T( 生育適地の判定と造林樹種の特性、苗木の育成技術、単層林施業と複層林施業等 )
第4回 8月下旬 林政セミナー、 森林の整備方法の検討(森林の整備方法の提案)
第5回 10月上旬 林業先進地視察 ( 木材のマーケティング等)
第6回 11月下旬 人工林施業技術U(間伐技術、枝打ち技術、長期育成循環施業)
第7回 2月下旬 修了式( 修了論文の発表)
研修の進め方
(1)研修は原則として1日開催で、午前座学、午後実技とする。
(2)具体的な森林の整備方法は、受講生が考察する(林政セミナーで発表)。
(3)講座の修了にあたっては、修了論文を提出する(修了式で発表)。
平成10年2月19日、佐渡林業実践者大学第18期講座修了式及び第19期講座開講式が行われました。
修了者は33名(年齢幅は大正4年生まれから昭和48年生まれまで)でした。
また新規19期受講者は43名(年齢幅は大正7年生まれから昭和34生まれまで)
です。
修了者の今後の活躍が楽しみです。また新規受講者は大勢となりましたが今後1年の受講期間を有意義に過ごされるよう期待しております。
19日は小澤学長の生涯学習者に対する励ましの講話に続いて、東大名誉教授南雲秀次郎氏の「実践的森林計画とボランティアについて」と題する講演があり、出席者に感銘を与えました。
なお18期のカリキュラムは次のとおりです。
回数 | 年月日 | テーマ | 講師(敬称略) | 開催場所 | 備考 |
1 | 平9.2.20 | 間伐材等林産物の有効利用と木炭木酢液 | 藤井道三 | 佐和田町 | |
2 | 平9.6.12 | 小径木加工施設の概要と間伐推進 | 山元千春 | 金井町 | |
同 上 | アテ苗木の取り木増殖 | 水澤一作 | 同 上 | 実習あり | |
3 | 平9.8.20 | 森林・林業と情報化社会 | 小澤普照 | 佐和田町 | 林政セミナー |
特別 | 平9.10.2 | 森林研究所技術発表会聴講 | |||
4 | 平9.10.17〜18 | 林業先進地視察研修 | |||
しいたけ栽培と経営 | 近藤正男 | 見附市 | |||
同 上 | 笹岡伝一 | 中之島町 | |||
森林組合の多角経営 | 小国町森林組合 | 小国町 | |||
優良林分育成技術 | 長岡林業事務所 | 与板町 | |||
5 | 平9.11.18 | 間伐材の補助制度について | 田中利通 | 両津市 | |
間伐材の搬出事例について | 渡邊洋一 | 同 上 | 実習あり | ||
6 | 平10.2.19 | 実践的森林計画とボランティア | 南雲秀次郎 | 佐和田町 | |
実践活動の重要性 | 小澤普照 | 同 上 |
平成9年2月20日、佐渡林業実践者大学第17期受講者の修了式が行われました。
1期1年の受講ですから、17期ということは、創設(初代学長故近藤元次先生)以来17年になるということです。
現在は2代目学長(平成6年度以降、小澤普照)として引き継がせていただいていますが、毎年40人程度の受講者があり、年齢幅は20歳から70歳以上まで、また職業も林業をはじめ自治体、森林組合さらには農林高校の校長を定年退職された方まで在籍記録があるなど生涯学習型のユニークな大学(移動教室)であります。
本大学は全体がボランティア的に運営されており事務局を相川林業事務所においておりますが、同時に全島10の市町村、森林組合、林業団体などの支持が得られております。
第17期のカリキュラムを一覧表にまとめて示しておりますが、内容としては林業の活性化の視点と同時に、現在全島に広がっおります松くい虫被害を地域参加のもとに受講生がOBを含め、中核となって防除していくため、抵抗性マツ苗木の増殖と被害木の炭化して山に返す(もちろん燃料に利用することはOKです)という作戦を展開するために必要な知識・技術の習得も目標に据えております。
なお講師をボランティア的に引き受けて下さる方がおられましたら、森林塾事務局(本ホームページ指定のEメールか相川林業事務所(TEL
0259-74-3450)の実践者大学事務局担当(引間もしくは計良)までご連絡下さい。
回数 | 年 月 日 | テーマ | 講師(敬称略) | 開催場所 | 備考 |
第1回 | 平8.2.15 | 地域振興と松くい虫防除対策 | 田尾 秀夫 | 佐和田町 | 開講式 |
第2回 | 平8.6.12 | アテ苗木の取り木増殖 | 水澤 一作 | 金井町 | 実習あり |
佐渡の住宅建築事情 | 小林 繁喜 | ||||
第3回 | 平8.8..23 | 抵抗性マツの現状と今後の課題 | 茨木 親義 | 佐和田町 | 林政セミナー |
マルチメディアと林業の活性化 | 小澤 普照 | ||||
炭焼き研修 | 杉浦 銀治 | 現地会場 | |||
第4回 | 平8.10.17・18 | 間伐小径材製品開発 | ゆきぐに森林組合 | 東頚城郡大島村 | |
しいたけ栽培と経営 | 秋山 一男 | 中頚城郡三和村 | |||
松くい虫防除対策 | 上越林業事務所 | 上越市 | |||
第5回 | 平8.11.27 | 金になる間伐について | 山本 千春 | 佐和田町 | |
間伐技術等について | 相川林業事務所 | ||||
林業機械実習 | 三共機工(株) | 現地会場 | |||
アテ取り木実習苗木収穫 | 水澤 一作 | 現地会場 | |||
第6回 | 平9.2.20 | 間伐材等林産物の有効利用と木炭・木酢液 | 藤井 道三 | 佐和田町 | 修了式 |
注 第3回の講座には、森林塾メンバーも夏休み合宿を兼ねて参加しました。
炭焼き研修での杉浦講師の説明
伏せ焼きによる炭の焼き上がり
ドラム缶焼きによる竹炭の焼き上がり
1996年8月 小澤 撮影