フォレスター長縄のインドネシア奮戦記


大変ご無沙汰しております。
 
このたびスマトラ島リアウ州のブキットティガプル国立公園内に森林火災消火訓練センターがJICAの協力によって建設され、インドネシアからも総局長(日本の林野庁長官)の出席のもとに開かれました。私は初期消火担当の専門家として1月28日から1月31日(2003年)まで訓練生31名を集めて訓練を行いました。センターはまったくの森林内にあり、スマトラタイガーも生息しています。一週間山の中で生活しました。このセンターの概要を添付しますのでご参考にしてください。

森林火災消火訓練センター完成

JICA森林火災防止プロジェクト

 カリマンタンやスマトラでは毎年、乾季に森林土地火災によるヘイズが発生し、貴重な天然資源を消失させるとともに地域住民の健康や交通、農作物に多大な被害を及ぼしています。特に昨年は、エルニーニョの影響もあって、ヘイズが大発生したのは記憶に新しいところです。

 JICAでは林業省に対して森林火災予防防止のための総合的な技術協力を実施していますが、このたびインドネシアで初の森林火災消火訓練センターが完成し、1月30日に開所式が行なわれました。このセンターはスマトラ島のリアウ州とジャンビ州にまたがるブキットティガプル国立公園内に設立されました。当センターは、36名の宿泊施設も整備されており、各国立公園のレンジャーが消火訓練を受けることとなります。これまでは森林火災初期消火訓練を担当する長縄専門家が各国立公園に出張して訓練を行なってきましたが、今後は、本センターで集中的に合同訓練を行なうことが可能となりました。合同訓練では、地域によって異なる森林火災の原因や消火活動の問題点についての討議もでき、より効果的な消火方法の開発が行なわれるようになることが期待されています。

 式典は約150名のインドネシア側関係者とJICAの内藤所員(環境分野担当)も出席し、森林火災防止プロジェクトの井上チーフリーダーによる開会の挨拶に続いて、林業省のイマデ自然保護総局長から森林火災消火訓練センター設立に至ったJICAの協力に多大の謝辞が述べられ、地元県知事からも本件の取組について歓迎の辞が述べられなど、今後の森林火災消火訓練の成果の発揮に大きな期待が寄せられました。

 また、開所式ではスマトラ、カリマンタンからの4つの国立公園レンジャーによる消火合同訓練のデモンストレーションが行なわれ、地元の報道関係者も熱心に取材を行なっていました。当センターでは国立公園の森林火災消防団の訓練を行なうとともに、訓練を受けたレンジャーが講師となって地元住民やNGOへの訓練を行なうことが計画されています。さらに周囲の貴重な天然資源を生かして、エコツーリズムや自然生態の調査・教育への基地としても活用されることが期待されます。





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