子づれDE海外滞在記 7 2カ月の旅を振り返って


子づれ海外旅行のノウハウ

半年間に亘って、1998年の秋に1歳6カ月の息子と二人で出かけた、ヨーロッパ4カ国の友人を訪ねる旅の報告書をさせていただきました。ご想像がつく通り、1歳半の子どもと旅に出るのは国内でも大変です。しかし、2歳未満の子どもは国際線の航空運賃が無料(国内線は3歳未満)だし、自分自身の仕事や勉強活動もまだ元のように活発化していない時期だということも考えて、今しかない!と、出産後の重い腰をえいっと持ち上げて行って来ました。
まず、早いうちに友人と連絡をとったり、自分の希望の宿を手配したり、準備を始めます。飛行機を予約するときにベビーミールをリクエストします。これは離乳食に近いので、1歳以上の子には向かないことも多いのですが、お菓子や果物、おもちゃがついているのでとりあえず頼み、不足分は自分でおにぎりなどを持ち込みます。チャイルドミールは2歳以上の座席を買った子どもしか頼めません。
出発当日は早目に空港に行き、足下の広い座席を頼み、機内では毛布を敷いて床に寝かせます。満席でないなら、隣の席を空けてくれます。着替えは多めに。燎平は行きの機内で下痢をし、狭いトイレで手洗いして干すはめになってしまいました。
現地ではお金をかけずに、時間はゆっくりとります。一人でなら1日で観光できるところでも2〜3日確保しておきます。宿泊は、例えば第2回で書いたファームステイや貸別荘などが自炊もできて便利です。産休の間を家で過ごす代わりに海外で過ごすだけですから、滞在型で。長期滞在ほど安くつきます。普段から外国人の友達を日本でたくさん作っておけば、彼らに頼れるのでベストです。
ヨーロッパでは、コインランドリーも多いし、長期滞在には便利です。またリサイクルショップも多く、子どもものも大人ものも安価で手に入ります。子づれに優しい国が多く、大きな駅では各ホームに緩やかなスロープが設置され、バスでは1段式のステップを上がればすぐにベビーカースペースがあります。多くの書店やレストランにはプレイスペースが用意されています。
もちろん、つらくて泣きたくなることもありました。特に荷物が重い上に子どもがぐずるとき…。移動はとてもきついので、日本のちょっとしたおみやげ、例えば桜や浮世絵柄のコースター・ハンカチ・箸等を用意し、荷物運搬を手伝ってくれる人にお礼として渡していきました。寒い時期でしたが、のんびりしたスケジュールだったからか、燎平は一度も熱を出さなかったので助かりました。

読者の皆さんへのメッセージ

半年間の間読んでいただき、本当にありがとうございました。私は「子づれ海外旅行」に限らず、「新米ママたち、子どもと一緒にどこにでも出かけよう、自分たちが動けば世の中も変わるはず」という思いから、出産後にはちょっと無理と思えることでもチャレンジしてみよう、ということを訴えたいと考えています。子どもが保育園や幼稚園に行く前のわずかな期間は、実は有効に使えるのではないでしょうか。私は出産はわりと重く、ほとんど1年の間は家から出られませんでしたので、暗く淋しい育児になりがちでした。夫に掛け合って、出産のご褒美として自分から飛び出してみた結果、閉じこもりがちな育児にならずにすみました。
私は今後も、留学や、ヨーロッパよりも条件の悪い途上国へも、息子を連れていくことになると思います。同様の予定や希望をお持ちの方、是非情報交換しましょう。フラウ編集部の住所に、河野宛でお手紙をいただけるようにお願いします。
(おわり)