No05.キャンセルその後


珍が土地をキャンセルしたことにより、
家康不動産のいのさんと、
タマック営業斧さんと中本さんに
無駄骨を折らせてしまいました。
だが、次の日、珍は家康不動産にいました。

いのさんに[キャンセル]宣言した次の日、珍は家康不動産にいた。
珍は未練があったので、キャンセルした土地のことをいのさんに聞いてみた。
[大丈夫です。売り主には確実に伝えましたから。]
と、少々冷たいというか、何とも言えない感じの受け答え。※1
重苦しいとまで感じられる雰囲気の中、
キャンセルした土地の調査結果と重要事項説明が行われた。
なぜ、キャンセルした土地の重要事項説明を行うのか。
理由は、土地取引に関して、知識のない珍のために、
珍がキャンセルした土地を、いのさんはどこまで調査したか説明してくれるというのだ。
次に候補となる土地が見つかった場合に、珍が不安に陥ることなく、
今回のような急な判断が求められる場合にも、迷わないようにとの配慮であった。
実際に、今回の物件も非常に細かく調べられており、
基本的な事項である用途地域や建ぺい率、容積率から、
都市計画で、近くに大きな道路が通る可能性があるか。
などの、未来の情報。
近くにある[石碑]が怪しいものでない。
のような、ローカルな情報まで網羅されていた。
[ここ迄、調べてあるんだから、気に入ったら安心して買えと。]
いのさんは、珍に言ってくれたのだ。

一息ついたところで、
珍はいのさんに[あの保留地はどうだろうか。]と訪ねた。
珍の想定している予算的には明らかにオーバーしている物件である。
いのさんの説明によると、絶対的な価格は高いが、相場からすると
かなり格安であるとのこと。
もう一つ、土地の価値は、基本的に、それほど下がらないと予想されるので、
支払い可能圏内であれば、貯金として考える事も出来る。※2
家に住むと言うよりは、土地に住むという考えからすると、立地条件は非常によい。
結局、悪いことは何もない。※3
家造りの際に、最も不安なところは、[結局総額いくらなのか?]である。
家康不動産とタマックの連携した資料に、
[ご予算プラン(土地購入+タマック建物)]という物がある。
以下のような内容だ。

1.建築費用:タマックの建物建設に関わる総費用
2.土地代金:土地代そのまま
3.建設に関わる諸費用:地盤改良、神事、外構、引越などのタマックで行わない工事
4.建物に関する諸費用:印紙、登記料、保険料など
5.土地に関する諸費用:ローン保証料、仲介手数料など
6.その他の費用:仮住まい、建物決済までの金利など

これで、土地購入からタマックで建物を建てて住むまでの総額が明確になる。
この[ご予算プラン]の最後に、返済計画がある。
自己資金、年収、返済期間、借り入れ予定の銀行の金利などから、
月々の返済額が計算され、対年収返済割合が明らかとなる。
一般的に、対年収返済割合が25%を越える様な借り入れは出来ない。
珍の場合、自己資金が多めのため、保留地を購入しても、
対年収返済割合が25%を越えるようなことが無いことがわかった。

買えるとわかったのだから、躊躇している場合ではない。
しかし、保留地を購入するには問題があった。
一般的に、保留地を販売している土地区画整理組合のような団体は、
不動産屋の仲介を嫌がる傾向があるという。
(理由は説明されたが、忘れました。)
いのさんは、一つの判断を珍に求めてきた。
土地区画整理組合提携の銀行を利用すれば、
珍、単独でも保留地を買うことが出来る。
それでも、土地の仲介を家康不動産に依頼するか。
タマックとの連携や今までの経緯などから、仲介を依頼した。
仲介手数料は、外税表示の場合
物件価格の3%+¥60,000 と消費税となる。
(現在は内税表示のため、物件価格の3.15%+¥63,000)
¥3,000万円を超える物件だと、
仲介手数料だけで、¥1,000,000を越える。
しかし、珍は迷わず、専任媒介契約書にサインした。※4
早速申し込むために、土地区画整理組合に連絡を取った。
・・・しかし、応答無し。
日曜日は休みのようだ。
まあ、客商売ではないから仕方がないと言うところか。
月曜日に有休を取って、土地区画整理組合へ申し込みへ行く事となった。



今日のひとこと ★

いのさんから後で聞いた話です。
不動産屋はいろいろ言ってはいけないことがあると言うことです。
絶対儲かるとか、いろいろ。
だから、いのさん曰く、[黙って俺のオーラを読み取ってくれ!]
だそうです。
そんなこと言われてもね。
普通、いのさんのオーラ見たら、脅してるのかと思うかも・・・。(爆
あと、いのさん。珍に[俺って怖い?]とか聞かないでください。(核爆

※1
売り主に対して、申し込みをキャンセルしたいという意志を確実に伝えないと、
申込金が戻ってきません。
いのさんの冷たい対応というのも、それほど間違っていなくて、
やっぱり、[掘り出し物だったのに。]と思っていたようです。
いや、どちらかというと、いのさんはシラケていたのかも。(^^;;

※2
土地分は貯金と考えよ。
実際には、一生住むつもりなら、支払額が増えるだけです。(汗
まあ、なにかのきっかけで売らなければならない事があった場合には
建物の価値はいずれ無くなるのに対して、
土地の価値はそれほど下がらないから、と言うことです。

※3
家に住むと言うよりは、土地に住むという考え・・・
このときは、いのさんにそう言われたのですが、
イマイチ、ピンと来ていませんでした。
南極やサハラ砂漠でも、高性能な家が建てば、
快適な生活を送ることが出来ると思っていました。
しかし、実際には家に閉じこもって生活する訳にはいかないので、
周辺環境などの、立地条件は非常に重要なのでありました。

※4
家康不動産に仲介を依頼したことを今現在考察してみると、
やっぱり仲介してもらわなければ、珍の家は建ってなかったかも知れません。
これは、銀行でローンが組めなかったかも知れないと言うことです。
実際には、銀行の融資課にも大人物が待っていたのですが・・・。
そのあたりは後日。