No07.申し込み〜検討


土地の契約をしても、まだ間取りが決まっていない。


さて、いろいろな物件を見せてくれた、いのさんだが、
見せてくれるだけで、どれが良いとか悪いとか、
そう言う発言は一切無い。
だが、質問した事には確実に答えてくれる。
今回の物件。どれも、ある意味掘り出し物だ。
80坪のうち40坪を切り分けて売り出している競売前の物件は、
通常、危険で手を出せない。
いのさんの仲介なら、安心して買えるのだろうが、
もとの売り主が、隣に住むと思うと、
弱みにつけ込んで、安く買った様な気がして、精神的によろしくない。
保留地に関しては、売り主とのしがらみはない。
もう一つの60坪の物件に関しては、広さと日当たりは申し分なし。
線路に近いため、騒音があるが、タマックの家の気密性を考えれば、
窓を閉めて居さえすれば、問題ないレベルと考えることが出来た。
それよりも大きな問題は、最寄りの駅が希望のJRではなく、京王線であると言うことだ。
珍にとっては、これが致命的。
他の1カ所は、前回の戯言で書いた軟弱地盤の可能性があるため却下。
また、もう一カ所は、駅から遠かった。
結局、予算的にはかなりオーバーという結果になったが、
保留地以外の選択肢が無いという結論に達した。

土地が確定したことで、[ご予算プラン]が書き換えられる。
(この時点では、ローンが決まってないので暫定。)
総支払額が一気に*00万円以上アップすることとなった。(大汗

さて、土地は決まった。
土地区画整理組合に契約に行くことに決めた。
と、順番がおかしいのでは?と、気がついたあなたは鋭い。
この土地にまだ自分が考える家が建つか、間取りがひけていないのである。
タマック斧さん、中本さんと急遽(たぶんいつものことだと思うが)
この土地の間取りをお願いする。
いのさんの調査によると、この土地は建坪率:60%、容積率:200%
建坪率に関しては、角地緩和で70%となる。
建坪率とは、土地に対して建物が使用できる面積の割合。
60%より70%の方が、めいっぱい建物に土地を使えるのだ。
容積率とは、各階の床面積の合計を敷地面積で割ったもの。
ここの土地の制限は、
用途地域:第2種中高層住居専用地域
高度地区:第2種高度地区(高さ制限12m)
である。
北側斜線規制については、北側に6m道路があるため、道路斜線となる。
つまり、ここは床面積60%で3階建てが余裕で建つのである。
しかし、珍は予算が無いので、2階建てがめいっぱい・・・。
土地の形状は、区画整理されたところなので、ほぼ正方形。
制約が少ないので、比較的簡単に間取りが決まるかと思った。
いろいろな案を出してくれる、タマック斧さん、中本さんではあるが、
どうも、今ひとつピンとこない。
今から考えると、こちらからの要望が足りなかったのかも。
(珍はお任せで文句ばかり言う、いやな施主モード?)
つまり、施主の要望を具体的に伝えないと、どんな間取りが良いのか、
間取り作成側も、困ってしまうわけだ。
そんな状況で、メールのやりとりは何度も行われ、いのさんにもCC:されていた。
そうしている間に土地の契約日が来た。
間取りが決まらぬまま契約となった。
ここで、見かねたのか、いのさんが間取りを引いてくれることに。
朝の4時までかかったと言う、その間取りを見て、珍はイチコロだった。(笑
その、いのさん謹製の間取り、駐車場の収まりも完璧だった。
しかし、無謀な珍は、敷地ぎりぎりまで、間取りを拡張するという暴挙にでた。
さらに、浴室については、1.25坪に拡張。
正方形となっていた外壁から浴室をはみ出させて、
長方形だった家の形がいびつになってしまった。
さらに、駐車場の幅は出し入れ限界になった。
駐車が下手なのを顧みもせずに。
と、通常であれば、土地を契約する前に決まっているはずの、
間取りは、珍の場合、土地を決めてからとなったのであった。
でも、申し込みからの契約までの期間が限られているから、
最初から、思い描いていた間取りがあって、
それが実現できるぴったりな土地でも見つからない限りは、
通常、契約までに間取りが決まっているという施主は少ないかもしれない。
でも、タマック斧さんと中本さんとの、昼夜を問わないやりとりなら、
間取りが決まるはずなのだが・・・
と言うか、土地探しの段階で、ここまで、工務店が協力してくれるということ自体も
家康不動産とタマックの連携があればこそなのだ。
と、今更思うのだった。

そういえば、[ご予算プラン]は・・・。
暴走し始めた珍。総額を見るのが怖い。


今日の戯言 ★


用途地域や高度地区などの土地に対する規制は、
この土地探し日記を書きながら、あらためて調べたものです。
当時は、いのさんが頼りで、何もわかりませんでした。
なにしろ、衝動買いのように始まった訳ですから、準備も予備知識も何も無かったのです。
で、その当時のいのさん、いろいろな土地を紹介はしてくれるのですが、
[どれが一番良いと思います?]なんて聞いても反応がないのです。
そんな感じのいのさんを、
当時は、[自分で判断しろ!]と珍に言っている。
と言う意味にとっていたのですが、(突き詰めると、そうなのですが。)
今、いのさんにあらためて、そのことを聞くと、
[不動産屋は言ってはいけないことがたくさんある。]
とのことでした。
儲かるとか、ここは良いとか、
そんなニュアンスの販売目的の台詞のようです。
詳しくは聞いていません。
まじめな、いのさんらしいです。
でも、それにたいして珍は、
[何も知識のないお客に安心な土地を勧めてくれるのが、良い不動産屋ではないか?]
と、反論したのですが、
[おれのオーラを感じてくれとのこと。](笑
確かに出てましたよ。当時も強烈なオーラが。
実際に、難しいです。
限られた予算で、土地を探しているのです。
家と違って、一つとして同じ物はありません。
それに、少しも問題(訳あり)のない土地というのもないでしょう。
特に、建物重視で予算組している施主が多いと思われる現状では、
土地の予算が低くなりがちです。
土地の格安物件は、訳ありの可能性が高く、
不動産屋とて、その訳ありが明らかでも、
[あなたの予算ではこんなものですよ]とも言えず・・・。(^^;;
(珍の最初の予算も無謀だったそうです。)
結局、土地に関する予備知識と、相場を大体わかった上で、土地探しをする。
または、最初に、自分の求める土地の条件を不動産屋に伝え、
相場がどのくらいなのか、教えてもらってから、予算組をする。
と言うのが、正解ではないでしょうか。
では、何のための不動産屋か?と言うことになりますが、
土地取引は恐ろしいほど奥が深く、(登記簿と実際の持ち主が違うなど。)
[安全確実にありのままの土地を買える。]
と言うだけでも、十分に仲介手数料を払う価値があります。
もちろん、いのさんであれば、
妥協できないほどに訳ありな土地を、最初から選択肢には上げてきません。
いずれにしても、一生に一度かもしれない、大きな買い物をするのに、
すべて人任せではダメと言うことでしょうね。
少しは勉強しましょう。
最終判断は自己責任であることは言うまでもありません。