No08.ローン内諾

土地契約のところはさらりと流してしまったが、
重要なのは、契約に当たり、どこからローンを借りるか・・・。
土地区画整理組合指定の銀行があり、選択肢は2つあった。
・ろうきん
・JAバンク
である。
ろうきん:中央労働金庫は、珍の勤め先で週に一度、住宅ローン相談会を開いていた。
ろうきんの住宅ローン相談担当は、非常に話せる人物で、説明もわかりやすい。
一通り説明を受けた後で、珍はある質問をぶつけてみた。
その住宅ローン相談担当も、ついこの間マンションを買ったという。
「なぜ、家を買ったのか?」
賃貸で家賃を安く抑えておけば、頭金分の貯金ができて老後が安心。
よけいなローンの利息を払う必要もない。
しかし、家賃が一生続く。
家を買えば、家賃という無駄な支払いがなくなる。
賃貸と持ち家どちらがお得?
と言う、持ち家を考えたときに遭遇する最初の葛藤である。
回答は即答だった。
「自分が死んだときに、家だけは家族に残してやれる。」
これは、ローン保証金の存在を言っている。
確かに、賃貸では、どうやっても家を残すことができない。
そう言った考え方もあったのか・・・。
予想していなかった回答だ。
いや、珍がアホ?
(いつも聞かれることだったりして、回答が用意されていたかもしれない。)
ろうきんの担当とは、後日もう一度連絡を取ることにした。
さて、もう一方のJAバンクである。
JAと言うと、農業従事者のための団体。
農業協同組合の組合員専用の銀行というイメージで、敷居が高そうである。
銀行ローンについては、自分で、どちらにするべきか調査しようとしたのだが、
家康不動産も動いてくれていた。
ここで、意外な情報がもたらされる。
いのさん曰く、ろうきんは相手にしてもらえないとのこと。
どういうことなのか、未だによくわからないが、
保留地の特殊な条件が問題となっているらしい。
土地区画整理組合指定の金融機関のはずである。
意味がわからない。
勤め先のろうきんの担当に連絡を取った。
すると、担当は異動しているとのこと。
(銀行ではありがちらしい)
事情のよくわからないろうきん担当代理は、
FAXで一方的に保留地用の書類を送ってきて、その後音沙汰がない。
珍には見てもなんだかわからない書類で、これではどうにもならない。
ろうきんは、ほぼ選択肢から消えた。
残るはJAバンクである。
利率的にいうと、金利優遇条件をフルに活用したろうきんより若干高め。
逆に、JAバンクには、そういった優遇条件はないそうだ。
通常であれば、いのさんにお任せで、銀行担当者とは会わずに事は進む。
しかし、さすがJAバンクは違う。
本人の人柄を確認するための面接があるという。
珍は、このとき、JAバンクの担当者を[すごそうな親父]と想像していた。
具体的なイメージはお伝えしかねるので割愛させていただく。(笑
当日、JAバンクの駐車場でいのさんと待ち合わせ。
珍は1時間前に到着。
面接なのに遅刻はできないとの判断から、早く着きすぎた。
車の中でTVを見ながらいのさんを待つ。
10分前になっても、いのさんは現れない。
さすがにしびれが切れた珍は、自分だけでもJAバンクの担当者に会おうと、
車を降りた。
そこへ、いのさんの車が滑り込んできた。
JAバンクの中に入り、窓口からいのさんがJAバンクの担当者を呼んでいる。
出てきた担当者は・・・・・・。
珍よりも明らかに若い、お堅そうな感じの担当だった。
打ち合わせようの個室に移動した。
そこで、JAバンク担当者の名刺をもらった。
JAバンクのYさん。鋭い目つきが印象的だった。
いかにも、お見通しという雰囲気を漂わせ、
この狭い打ち合わせ部屋に、緊張感をもたらしていた。
珍の仕事の内容やなどを、雑談のように会話した。
やがて、具体的な住宅ローンの説明に入った。
Yさん曰く、
[人を見るなんてとんでもない。]
[直接本人に対して住宅ローンの説明をする事になっているのです。]
とのこと。
お堅い。お役所のようだ。(珍のお役所イメージ)
何を具体的に話したか、記憶は定かではない。
この場で行われたのは、
・自己資金の確認:証明する物を持ち込んだ。
・保留地価格と建物見積もりによる総額確認
・借入総額確認
・借り入れ計画
いつの間にかローン内諾である。
正式書類は後日でとなった。



今日の戯言 ★

賃貸と持ち家どちらがお得?
が、なぜ疑問ではなく葛藤なのでしょうか。
それは、大抵の場合、持ち家は買う人に我慢を強いるからです。
つまり、得かどうか以前にハードルがあるのです。
経済的に十分持ち家を買えるのに、賃貸派を標榜する人の中には、

1.転勤の可能性がある。
2.桁違いな住宅ローンを借りるのが怖い。
3.持ち家を買うことに対して束縛されるような気がする。
4.欠陥住宅など、建築業界が信じられない。

などの理由がでることが多いようです。
珍はどうかというと、

1.転勤を考慮して、可能性のある場所から通勤圏内とした。
2.賃貸料と変わらない程度に月額の支払を押さえれば、
  総額はあまり考える必要がない。(要頭金)
3.これは、その通りで、失敗するとかなり苦しい。
慎重に環境を見極めるしかない。
4.これは、信用できる不動産屋と工務店を見つけられた。

いずれにしても、経済的には苦しくなるし、
考えたり、調査しなければならないことも多いのです。
家を建てるのに、具体的に何が必要かがわからなくても、
非常にパワーが必要ななことが、おぼろげながら想像できます。
また、マンションと一戸建てどちらがお得?というのもあります。
マンションと一戸建ては、利便性重視かどうかと言う話もありますが、
ここはどちらがお得かどうかと言うよりも、なぜマンションにしたのかと・・・。
マンションはリスクという面で、欠陥品をつかむ確率は低い。
マンションは、ローンもすべて準備されていて、買いやすい。
一戸建ては・・・。
いろいろ大変です。
マンションを買う人の中には、一戸建てが欲しいと思っている人もいますが、
ここでも、一戸建てを買うのに必要なパワーを考えると、踏み切れない様です。

その後で、建て売りと注文建築どちらが・・・と言う話になります。
ここでも、もう一つの壁が。
ですが、がんばれば、がんばっただけの満足がありますよ。



今日の戯れ言の中に、非常に重要な事項があります。
それが、家づくりの全てです。(謎