第64号 「自ら学ぶ」について その1

今、学校では「自ら学ぶ」という言葉が大流行です。
全国どこの学校を見ても学校目標にはたいてい
「進んで学ぶ」とか「自ら学ぶ」とかいう言葉が入っています。
確かに子どもたちが自ら学んでくれたらうれしいです。
でも、子どもたちはどうしたら自ら学んでくれるのでしょうか。
そもそも文科省のいう「自ら学ぶ」って、どういう意味なのでしょうか。



私が調べた情報によりますと、こういうことのようです。

今まで日本の教育は、暗記中心の勉強が多かったので、
自分でものを考えたり調べたり判断したりする力が劣るようだ。
だから、これからは、そういう力のある子を育成しよう。


確かに「自ら学ぶ」ことは生涯を通して大事な力だと思います。

でも、文科省にそういわれると、私は
なにかしっくりしない、違和感を覚えてしまいます。

日本は、文科省推薦の教科書を使わないと「学校」として認められません。
独自の発想で教育する学校は「学校」として認められていないのです。
お上の言いつけどおりの教育しか認められておらず、
教師自身が「自ら学ぶ」こともできない現場で
どのようにして「自ら学ぶ」子を育成しようというのでしょうか。

文科省が全国一斉に「自ら学ぶ」子を目指せ!と号令をかけた時点で
この方策はすでに論理破綻しているのではないでしょうか。
「自ら学べ」と押し付けられたら、それはもう「自ら」ではないでしょう。



私は文科省のやることなすことすべてについて否定しているのではありません。
うちの子たちは公立の小学校へ毎日喜んで通っています。
それに教科書はよくできています。

教育の方法はいろいろあります。
公立学校と違った夢のような学校もあるかもしれません。
でも、私は公立を選び、公立の中で子育てをしています。
私は、この現実の中で親として自分にできることはなんだろうと考えています。

家庭では自由に遊べる時間をたっぷり作ってあげたいと思います。
遊びの中から子どもはいろいろなことを「自ら学ぶ」と思うからです。
TVやTVゲームで子どもの自由時間を奪ってはいけません。
勉強は子どもが進んでやれば大変よし。
進んでやらない場合には、「親は大いにさせるべし」です。



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