第71号 ダイエット

「肥満度」という言葉をご存知ですか。
娘の学校には「健康カード」というのがあって、
身体計測のたびに家庭に返されます。
保護者はそれに判と押して、また学校へ戻します。
6年間使う大事なカードです。
そのカードに「肥満度」というのが記入されていて、
子どもたちは、身長や体重の変化以上にその「肥満度」を気にしています。

先日、夫と子どもたちが3人で仲良くお風呂に入っていました。
脱衣場に行くと、3人が楽しそうに話す声が聞こえてきます。
「肥満度がプラスだ」「マイナスだ」「お父さんの肥満度は?」
などという話をしています。
「お父さんの肥満度は0か、そのくらいで、ちょうどいいでしょ」
とか夫は答えています。
「じゃあ、お母さんは?」という娘の声。
「お母さんは最近はプラスだな」
と、夫の声。
私は、バタッと浴室のドアを開けて、
「ちょっと、失礼ね。私の体重は、標準よ、標準!」
と言うと、湯船にいた夫がこちらを向いて
「あら、そこにいたの」

私は最近、某公共施設に「姿見」を発見した。
なぜ、姿見があるのかは謎だが、とにかく、そこに姿見があるので、
私は、そこを通るたびに自分の姿を目にしなければならなくなった。
その鏡の中の自分を見るたび、私はなぜか違和感を覚えた。
ある日、私は思い切って知り合いに尋ねた。
「この鏡って、ゆがんでません?
なんかすごく太ってみえるんですけど。」
私の訴えに彼女は断言した。
「はい、この鏡は、ゆがんでます!
10年ずっとゆがんでます!」
だが、あの鏡、本当にゆがんでいるのだろうか。

私は久しぶりに自宅の体重計に乗ってみた。
ガーーーン!
お恥ずかしいことに、体重はしっかり増えていた。

まずい。
ここで2キロは減らしておかないとヤバイな。
今まで運動量が少なかったんだよね。
でも、このごろは、毎日結構歩いているから、
まあ、1ヶ月もすればすぐに戻るでしょう。
その程度に思った。
でも、体重は、2ヶ月過ぎても、ちっとも減らない。
これだけ毎日歩いているし、おやつはそんなに食べてないのに。

若い頃は、2週間おやつを絶てば2キロくらいすぐに減った。
なのに、今回はちっとも減らないのは、何故だろう。
毎日、そんなことを考えているうちに、私はふと気がついた。
私の”一日の消費カロリー”そのものが減っているんだ!
若い頃と同じだけ食べてちゃダメなんだ!
食事の量を減らさなくちゃダメなんだ。
私は歳をとったんだ!
よく耳にする「歳をとったら〜に気を付けるべき」を自覚していなかった!

ショックを味わいながら、
私はどうやって食事の量を減らすか思案した。
そこで思いついたのが、「水腹満腹作戦」
方法は、その名の通り。
朝起きたら水を飲む。
食事の前に水を飲む。
食事の時間じゃないのに、おなかがすいたら水を飲む。
もちろん、栄養のバランスのとれた食事はしっかりとる。
それから、毎日、よく歩いて汗をかく。

夏だったからできたというのもあるが、
10日間、私は大いに水を飲んだ。
頻尿になったが、尿を出すたび、
体中のいらないものを排出しているようでいい気分だった。
10日で2キロ減量。
もういいやと思って、すぐにやめた。
2ヶ月たったが、リバウンドはしていない。
どうやら、食事の量が少なくても満足できる胃になったらしい。

「私、水太りなの。水を飲んだだけで太っちゃうのよ」
というのを聞いたことがあるが、私の経験では水では決して太らない。
もちろん、水を飲んだ直後は水の分だけ体重は増える。
が、飲み過ぎた水は体にはたまらず、オシッコとなって出て行く(と思う)。
*あくまで私の場合そうだったというだけですので、良い子の皆さんは決してマネしないでください。

ところで、例の姿見。
あれは、たぶん、ゆがんでいる。
昔、行った遊園地の「ビックリハウス」の鏡のように。

ところで、夫いわく。
「俺の辞書にはダイエットの文字はない!」と。
彼は、食べても食べてもどういうわけか太りません。
体質もあるのでしょうが、
夫はアンコやヨウカンの類が嫌いで食べないし、
スナック類もあまり食べません。
やはり、天下目方の分け目は、その辺なのかも・・・

今年の夏、
きいちごさんからこのお題をいただきました。
きいちごさん、ありがとうございました。

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