第8号  くわばらくわばら

          

アニミズムで、まじないを信じるタイプの我が子たちの最も苦手なものは雷。
ピカッ、ゴロゴロゴロ、カリカリカリ・・・
と、来たら、まず、両手はへそ。
そして、窓に向かって叫び出す。
「くわばらくわばら」

上の子が珍しく一人で留守番していた。
外で、私は雷にあった。娘はどうしているだろう。急いで帰った。
娘は案外平気そうな顔をしていた。
が、実は結構平気じゃなかった。
雷が聞こえて、まず、窓に向かって大声で叫んだそうだ。
「くわばらくわばら」
「くわばらくわばら」
でも、一向に静まらない。思いあまってとなりの友達の家に電話した。
親切な友達のお母さんは言ってくれた。
「こわかったら、うちにおいで。」
娘は今まさにその子の家へ出かけるところだったそうだ。

下の子も雷様にはめっぽう弱い。
マジな顔してへそを隠して、「今日はお風呂に入らない。」と言う。
上の子は、「くわばらくわばら」の他にもう一つ彼女だけが信じるまじないをもっている。
どんなって、それは、ここだけの話だが、勉強を始めるんです。
勉強していたら雷がおさまった経験があるらしく、このときだけは、自ら進んで漢字書取とかし始めるので笑ってしまう。でも、笑わない。真剣な顔して、「ああ、勉強は雷にはよくきくよ。」って言ってあげる。



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