第9号  迷惑かけてはいけない

                                              

働いていたときの話。
私は待ち合わせの場所に待ち合わせ時間の一分前に着いたんだ。
5人で待ち合わせたんだけど、私は5番目だった。
でも、一分前だったんだぜ。
同僚の一人が言った。
「私は15分も待ったのよ。」
待ち合わせ時間に遅れたわけじゃない。だけど、彼女は続けて言った。
「待ち合わせの10分前に来るのは当たり前よ。」

彼女にとって、私の行動は迷惑だったのだろう。
迷惑かけておいて気がつかないとんでもない人だったんだろう。
迷惑ってなんですか。


迷惑 その1
スーパーで走り回っている子ども。
「他人に迷惑をかけないように気をつける」
子どもにその最低限の社会的ルールを教えるのは親の義務であり、責任である。
(新聞の投稿より 18歳 男子学生)

迷惑 その2
登校拒否に悩み、不登校の子どもたちが集まる所へ通ううちに、生きる自信が湧いてきたという15歳の少女。
「私は、今まで迷惑をかけるなと親から厳しく言われて育ってきました。でも、私は先生にいっぱい迷惑かけて人の生き方を学びました。これからは、迷惑かけて生きていこうと思います。」
(新聞の投稿より 15歳 女子学生)

迷惑 その3
僕は障害者です。だから、車椅子や人の手助けなしでは生活が成り立ちません。
いろいろなことを体験したいと思っても、人への迷惑を考えると、つい、臆病になってしまいます。
(新聞の投稿より 15歳 男子学生)


その1 当然です。子どもが迷惑かけてても平気な親。
社会のルールやマナーのなってない人っていうのはホントに困る。
そういう意味での迷惑はかけちゃいけない。



その2 私、15歳の彼女の発言読んだ時、感動してしまった。
迷惑かけるな迷惑かけるなという親の呪文が
他人とのコミュニケーションを不自由にしてしまうことの弊害。
こういう時は人の手を借りていいんだよ。
そういうゆとりがほしいよね。
子育てしていると、どうしても人の手をかりなくちゃならないときがある。
迷惑かけちゃいけないって一人がんばれる人はいいけど、
できないこともある。そんなとき、どんどん人の手を借りていいと思う。
自分ができるようになったとき、別の人を助けてあげればいい。



その3 君、それは迷惑じゃないよ。それを迷惑という人がいけないよ。
平等というのは、同じことをすることじゃない。
手助けがないと生活できない。
だったら、君にとって、手助けしてもらってちょうどいいんだ。
手助けするのをイヤがったり、
有り難がれといったりする輩の方に問題がある。



まとめ

迷惑とは、「他人の心を痛める行為」だと思う。
同じ行為でも、他人が心を痛めていなければ迷惑にはならない。
迷惑とは、決して「他人の手を煩わせる行為」のことではない。
手を煩わされて心に痛みがあったとき、迷惑になる。
手を煩わされても心が痛まなければ迷惑にはならない。


ボランティアをしないと学校を卒業できないようにしようといってる人たちがいるらしい。
「困っている人がいる。だから、助けよう。」
ただ、それだけで助けに行く若者がたくさんいる。
ボランティアによる御利益目当てでしか行動できないジジイどもがいる。
そんなジジイたちには、御利益なしに働ける若者の気持ちが理解できない。
そんな若者がいることさえ知らない。
手を貸すことが苦でない人々。
手を貸すことに利益を求める人々。
迷惑の感じ方も違うだろう。
迷惑はかけたくないし、かけられたくもない。
でも、自分が人から助けられることは大いにあるし、
自分が人に手を貸すことも大いにしたい。





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