インドはすごい  その6


インド旅行してるうちに、
なんとなくインドに住み着いちゃったなんて人の話、よく聞きますよね。
私たちもひとり、そういう人に出会いました。
パスポートやお金をなくして、日本に帰るに帰れなくなっちゃった。
お金もないので、当面食うに困って途方に暮れていると、
坊主になればなんとかなるって親切なインド人が教えてくれて、
マジで頭を丸めたっていうんです。
頭を丸めりゃ坊主になれるってえのが、そもそもすごいよね。
で、本当にそれでなんとかなるらしく、
人に恵んでもらったり、宿で皿洗いをさせてもらったりして、
とりあえず生きてるという日本人、いましたよ。


  

人生最高のシャワーを浴びた後、
私たちは、カルカッタへ移動するためガヤー駅へ向かいました。
駅に着いたとき、突然、大雨が降ってきました。
日本では考えられない、忘れられないほどのどしゃぶりでした。
ピカッと光り、カリカリっとうなった。
ホームで雨と稲妻を眺めていた。
なにも考えず、空から降ってくる大雨と稲妻を、只、見ていた。
列車が発車するころ、夜空はもう晴れていました。

  


私たちが乗ったのは、2等寝台車。
すさまじいインド人家族に同席することになり、
私はカルカッタに着くまで、Amazingの連続。
列車が出発まで、インド人家族は、ホームで見送るおじいちゃんと大げさに別れを惜しんでいた。
列車が動き出すと、今度は家族全員がうかれて大騒ぎを始めた。
言葉はわからないが、とにかく、うかれて喜んでいるのは分かります。


そのうち、別のご婦人と紳士がやってきて、
「コーチナンバルトゥー」とか「コーチナンバルダー」だのと言い合いが始まった。
チケットをお互いに見せ合ったりしていて、どちらも引かない。
ずいぶん長いこともめていたのですが、
なにがなにやら、みんなおさまるところにおさまり、No problem。

だが、なんか違う。
なんか多いんだ。絶対多いんだ。
不安になって、私は思わず、数えた。
ええ、11人いるじゃないか。
6人がけなのに11人もいるじゃないか。
ちょっと、大丈夫かね。
私のベッドには、だれも入れないぞ。冗談じゃない。
なんなんだ、こいつら。いったい、電車賃払っとるのか!?

夜になって、パタンパタンとベッドの用意があちこちで始まった。
私は、自分のベッドをこの家族にとられないうちに寝ちゃおっと、
あわてて寝てしまうと、アレッ!?
みんなうまい具合にいなくなってる。
1つのベッドに2人か3人づつ寝ているのだ。
こんなのありか???
車掌が回ってきたら、叱られるぞと思っていたら、
なんでもない。No problemなのだ。

朝は5時から家族喧嘩。
降りるまでの2時間、大声でけんかのしっぱなし。
普通に話してるのが喧嘩に聞こえるってんじゃない。
本気で言い合っていて、小さい子どもなんか、うなだれて悩んでいる様子でしたよ。
1等に乗っていたら、見られなかったでしょうね、この光景は。
イヤアー、インドってホントにAMAZINGですね。




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