男だってイカセテほしい
同性愛者の女性の話です。
彼女は自分がタチなのかネコなのか悩んでいました。
男役をタチ、女役をネコと言います。
私は、なんだか不思議な気がしました。
どうして男役か女役かなんかにこだわるのだろう。
二人で攻めたり攻められたりして楽しめばいいのに・・・
女同士でも男女役割分業が必要なの?
素人考えではありますが、私はそう思いました。
さて、異性愛の場合、
SEXに男の役目や女の役目は必要でしょうか。
男は男らしく、女は女らしく、振る舞うべきでしょうか。
男らしさも20年前と今とでは随分変わってきました。
作家の蔦森 樹さんは、中学生の頃、三船敏郎が出てくるCM
「男は黙ってサッポロビール」を見て「男らしさっていうのは、これだ!!」
と思い、以降あまりおしゃべりしないように心がけたそうです。
私の義母の父親は明治生まれの人ですが、
「男は一生に一度片頬で笑う」を実践した大変男らしい方で、
映画でどんなに悲しい場面になろうとも、
「こんなもの作り物だ。」と言って歯を食いしばっていたそうです。
馬鹿馬鹿しいお笑いを見たときだって歯を食いしばって笑いません。
さすがに、今では、こんなことで「男らしい人!」なんて誰も誉めてくれません。
男の子を持つお父さんに
「どんな子に育ってほしいと思いますか。」
と尋ねたことがあります。彼は、即答しました。
「男の子ですので、強くやさしく育ってほしいです。」
お見事。入学試験の面接なら合格しそうな答えです。
「強くやさしくとは、どういう意味ですか。」
「人生で辛いことに出会っても、すぐにへこたれたり甘えたりせず
乗り越えて行ける強さをもってほしいです。
が、強いばっかりで、人の辛さや悲しさがわからない人間では困ります。
人の気持ちの分かるやさしさももってほしいと思います。」
現代の男は「強い」だけじゃなく「やさしい」ことも大事なようです。
子育て中のお母さんたちに、
「男の子だから、女の子だからということにこだわっていますか。」
と尋ねると、ほとんどの人が「こだわっていない」と答えます。
男の子のお母さんたちは、
「おいしいみそ汁の作れる男の子にしようと思ってます。」
「ゴミ出しは今から仕込んでます。」
なんて答えが返ってきます。
「女の子にはやさしくしなさい。」
これは、男の子をもつお母さんたちがよく言う言葉です。
日常生活の中で私はたくさんのお母さんたちがそういうのを何度も聞きました。
なぜ、「女の子にはやさしくしなさい」なのでしょうか。
昔、夫婦のSEXはほとんど強姦でした。
1970年代後半の強姦事件の無罪判決文にこんなのがあります。
「およそ男性が、座っている女性を仰向けに寝かせ、性交を終えるについては、男性が女性の肩に手をかけて引き寄せ、押し倒し衣服を引きはがすような行動に出て、おおいかぶさるような力の行使は、合意による性交の場合でも必要である。従って、被告人がそれ以上の暴行を加えていないのであれば強姦であるとはみとめられない」(出典:セックス神話解体新書 小倉千加子著) |
これを読んで、どう思いますか。
判決文が下手なのは、いつものことですが、それより、
その判事(男)が普段どんなSEXをしていたか・・・想像すると、笑いさえ出てきませんか。
そう、強姦そっくりなSEXしかしていないのですよ、彼は。
そんなわけで、
「強姦みたいなSEXをするような男になるんじゃないのよ」
という思いをこめて、お母さんたちは「女の子にやさしくしなさい」と教えるのです。
「そういう意味で言ってるわけじゃない」
そうかもしれません。
でも、ゆきつくところは、そこなのです。
基本的に大変正しい方針だと思います。
最近は、夫婦の間でも強姦が成立する時代です。
男たちは、なにがセクハラでなにがセクハラじゃないのかわからなくなって途方に暮れています。
だから、取り敢えず、「女にはやさしく」しておきゃあイイんだろうってんでしょうか。
そんな立場にいる男性たち、いろんな面で男らしさに苦しんでいるのではないでしょうか。
「SEXは男次第」なんていう意見を耳にしたことありませんか。
昔風に言えば、「男は能動的、女は受動的」ってヤツです。
「男任せのSEX」というか、SEXの善し悪しまで「男のせい」にするのです。
「女の子にはやさしく」と教わったやさしい男たちは、
女性の性感帯を勉強し”女をイカセル”テクニックなるものを研究し、
私はテクニシャンですなんて胸を張ってみたりし、女性に一生懸命尽くすのです。
それは大いに結構なことなのですが、
それだけでは、あまりにも男性がかわいそうじゃありませんか。
男たちは、「女は男の10倍感じる」なんてひがんでいます。
「それにひきかえ、オレたちは一回イケば終わっちまう。トホホ・・・」
ノーノーノーノー!!
そんなこと、あーりませーん。
女性のみなさん、男だってイカセテあげましょう。(どのように?それは実践編でね。)
男性のみなさん、男らしさに縛られて女にイカセテもらう幸せをみすみす逃すことのないように。
私は娘にこう言いたいです。
「男の子にも女の子にもやさしくしなさい。」
と。