ワイセツ的犯罪

 軽犯罪法によると、身体の一部を露出した者やのぞき見した者は
拘留又は科料に処すことになっています。

軽犯罪法
第1条
二十 公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方で
しり、ももその他の身体の一部をみだりに露出した者
二十三 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他
人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

 刑法によると、上記のように3種類の猥褻罪があります。

刑法 第22章 第174条 公然わいせつ
第175条 わいせつ文書頒布等
第176条 強制わいせつ

 ここでは、軽犯罪法第1条の二十・二十三や刑法第174条にふれる問題について考えてみたいと思います。

  

ストリーキング
ご存じでしょうか。
素っ裸で野球場を走る人、
素っ裸で道路の交差点を横切る人、
そんな人が多発した時代がありました。
うちの近所の餅菓子屋の前を素っ裸の男が走りぬけたという噂を聞いたとき、
母はもう大喜びで親戚一同に電話で知らせて大笑いをしていました。
母と一緒に車に乗っていたとき、通りを素っ裸で歩いているおじさんを見たことがあります。
母が喜んだのは言うまでもありません。
「ちょっと、ちょっと、あの人、裸だよ。あれま、お尻も丸見え。わーーーッ!」
なんて、子供と一緒で屈託なく母は喜んでいました。
で、車がおじさんから遠く離れても、母の話題はストリーキングのおっさんのことばかりでした。
面白くってしかたなかったに違いありません。
彼らは、公然猥褻ということで、お巡りさんに見つかれば、捕まります。
母をあんなに喜ばせてくれたけれど、犯罪なのです。
だって、そんな人が自分の目の前に現れたら、
いくら母でも笑っていられず、キャーなんて年甲斐もなく叫んで逃げ出すかもしれません。

  

先日、小学校の先生(50歳)が猥褻行為でつかまりました。
電車の中で女性の悲鳴を聞きつけ、
若い男性は、次の駅で降りた怪しげな男を追いかけました。
つかまった男は長いコートを羽織っていましたたが、
その下に女性用のパンティーをはき、ペニスを剥き出しにしていました。
女性は、見たくもないのに、突然男にペニスを見せられ、
それで悲鳴をあげたのです。
オイオイ・・・、先生、やめてちょうだいな。
猥褻行為で先生はたちまち捕まりました。
全国規模でそういうことをする人が街中に出没し、
男女問わず大人も子供も怖い思いをしています。
こういう行為は絶対止めてほしいものです。

  

昔、イケナイSMポルノビデオでこういうのがありました。
裸で体に縄を巻きつけられた女性が
皮の黒コートと来たこわいおじさんに
縄で引っ張っられて山手線に乗るっつうのです。
これは誰もつかまりません。
素っ裸じゃないとつかまらないそうです。
ネックレス一つでも身につけていれば大丈夫という噂もあります。
ポルノ雑誌や映画も、外性器が見えなければ、
内容がどんなに卑猥でも猥褻罪には問われません。
内容がどんなに真面目であっても、それらが見えると猥褻罪です。

  

カップル喫茶というのがあります。
昔の同伴喫茶のようなものです。
20年前の同伴喫茶などは、普通の喫茶店の上階に同伴喫茶があったりしました。
暗くてカビくさくて、ウェイターも客に気づかず、注文にも来ないってな具合でしたが、
最近のカップル喫茶は明るいものです。
大抵の場合、カップルごとに仕切られた部屋になっています。
カーテンや簡単な扉はあったりなかったり店によっていろいろです。
で、そこでなにをするのかというと、男女の秘密のことを公然とするわけです。
のぞき中心の人もいれば、見せたい人もいます。
口説かれて致し方なく来ている人もいるでしょうし、
口説ける相手がいなくて商売人と来る人もいます。
自宅で営む家庭的なSEXに飽き飽きした夫婦が
非日常性を求めて来るという夫婦生活に前向きな利用者もいます。
カップル喫茶には、二重扉や分厚い壁のドアがあります。
いかにも”警察が捕まえに来ます”という感じです。
実際、検挙された店もあります。
どういう場合に検挙されるのか知りませんが、
たぶん、公然猥褻ということでしょう。
でも、カップル喫茶の中でお互い好きで裸になったり人の裸を見てる分には、
なにも捕まえることないのに・・・・と思ってしまう私です。