シルクロード(ウルムチ・トルファン地域)の森づくり紀行(その1)
昨年(2006年)4月に新彊ウィグル自治区の晶吉市を訪問して丁度1年後に再び新彊への旅をしました。
目的はウルムチ郊外の晶吉市に小渕基金による植林プロジェクトを昨年開始したことに続き、地域の森づくりへの熱意が高く、今年はトルファン地区の鄯善(ぜんぜん)県で二つ目の植林プロジェクトに着手したことに関連するものです。
この地域では、既にドイツと韓国の植林プロジェクトも開始されています。
ウルムチから車で南に2時間でトルファンに着きます。
ここは大変見所の多い地域です。
西遊記で有名な火焔山、地下水路、世界一低標高(マイナス80メートル)地点にある砂漠植物園、干しぶどう・ハミ瓜の生産などがあります。
先ず現地に着いての感想は、昨年よく見えた標高五千メートルから六千メートルの真っ白な雪をいただく天山山系の山々が見えず、空はどんよりとして薄日がさす程度、遠景は一面霞がかかったようでさっぱり見えません。
現地の人の話では、昨年は黄砂が飛んだ後の訪問で、今年はこれから「黄塵万丈」の季節がやって来ると思われますとのことでした。
また、火焔山に行きましたところ、昨年とは色が違っています。「あれっ、昨年は赤褐色だった筈ですが」と言ったところ、昨年の春から雨が全然降っていないので、黄砂などが積もって白っぽく見えるのではないかと言うことでした。
因みに降雨量は、年間二十ミリ以下で、平均十六ミリ程度という説明がありました。
殆ど雨が降らない砂漠でも所々に樹木などの緑が存在しますが、それは天山山脈などに積もった万年雪が少しずつ溶けて流れ出し、この水脈(流水・地下水・地下水路など)のあるところにオアシスがあり、人の生活も可能となっているということです。(続く)
火焔山2007年4月の写真です。
黄塵の為か、光線の加減か前年に比べ灰色に見えました。
前年2006年4月の写真です。
天山山脈の一角、ボグダ山脈トルファンの北方
2006年4月撮影
砂漠の中のオアシス・トルファンの砂漠植物園、世界最低標高地点マイナス80.97m
2006年4月撮影