国有林の昨日・今日・明日4




国有林は我が国の背骨ともいうべき山岳地帯や大小河川の上流域に多く分布しているため、国土保全や自然生態系の保全上重要な地位を占めている。
従って森林面積では約3割の国有林が、保安林(水源かん養、土砂流出防止などを目的に指定され取り扱いが規制されている森林)ではその半数、実面積では約4百万ヘクタールが国有林の中に指定されている。
また国立公園などの自然公園も国有林内に指定されているが、保安林などと重複して指定されている場合が多い。
なお学術上重要な森林は従来から多数保護されてきたが、近年、知床、白神などの自然生態系保護地域などについても指定が追加され公益上重要な森林の区域指定が増加している。
これらのほか、レクリェーションなどに適する森林も多く、それぞれの目的に合致した管理経営が行われている。
さらにまた、森林の造成や整備に参加したいという人々が増加していることから分収造林や分収育林という制度があり、森づくりへの一般参加が可能となっている。
最近では植林ボランティアなどのグループが国有林の中で活動するケースも増加している。