森林塾塾長 上越市立和田小学校で講話(総合学習)
予告
森林塾塾長(小澤普照)が上越市立和田小学校(草野正信校長先生)の要請により、2005年7月13日(水曜日)、午前10時から1時間、6年生を対象に、総合学習の一環として、森づくりや森のはたらきなどについて、講話をすることになりました。
発端は、5月22日の上越タイムスに紹介された、上越森林環境実践塾の記事から講話をしてもらおうと言うことになったものです。
実際の講話の内容については、改めて書くことにします。(2005年7月7日記)
結果報告
13日は、校長先生が実践塾まで、マイカーでお迎えに来てくださいました。
それで、対象の児童は、折角だからということで、3年生から6年生までとなりました。
話の途中で、3年生は、からだがもぞもぞと動き出したところで、砂漠植林の写真の説明にしましたところ落ちつきました。
先ず、森のはたらきについて考えてみましょう。
?@水の循環
?森林があるとそこから水分が蒸発または蒸散し、ふたたび雨になって降ってきます。
?森林は降った雨を一時貯えます。
?洪水などを防ぎながら、じょじょに流れ出した水は途中で使われて、あまった水は海に流れ出す。海の水も一部は蒸発して、また雨になって降ってきます。
?蒸発するときに水はきれいになります。
?このように森林は、きれいな水を安定して循環させるのに役立ちます。
?A炭素の循環
?森林は空気中の炭酸ガスつまり炭素を吸収して生長し、そのとき酸素を出します。
?森林は空気をきれいして、炭酸ガスを吸収するので、温暖化を防ぐ働きをします。
?B樹木は、フィトンチッドと呼ばれる物質を発散しているので、森林の中を歩いたりするとさわやかな気分になり、健康に良いといわれます。
C木材やきのこや山菜を供給します。
住宅や家具などをつくるための木材を供給します。
また新聞や本などをつくる紙の原料となるパルプも木のチップから作られます。
木炭や竹炭も木や竹から作ることができます。
?おいしい山菜やきのこも森林の中でとれます。
?ただし、木材を得るために森林の伐採をするときは、森林を破壊しないように、大きな面積の森林を一度に切ったりしないように気をつけましょう。
D森林は動物や鳥や昆虫などのすみかになります。
このほかきのこなどの菌類のすみかにもなっています。
したがつて、地球に生息している生物の「種」を守る働きをしています。
E風の害や砂の害を防ぎます。
F森は風景を良くします。
G海岸や水辺の森林は魚の繁殖に役立ちます。
このほかのいろいろな働きについても皆で考えてみましょう。
次は森づくりについて話しましょう。
?@自然の力で増やします。(自然林)
?種子が落ちて増えます。(動物や鳥が手助けをします)
?萌芽や地下茎で増えます。
?A人間が増します。(人工林)
?種から苗木を作って植えます。
?挿し木苗を使う方法もあります。
?種を集める。(どんぐり銀行)
?飛行機やヘリコプターで種をまく方法もあります。
?最近、地球の森は減っているので、森を増やすための努力が世界中でされているが、砂漠や雨の少ないところでの森づくりは大変な苦労がともないます。
?6月の23日から30日まで中国の砂漠地域と黄土地域の森づくりに行ってきたので、その様子を紹介しましょう。
?
寧夏自治区の砂漠の植林
砂漠化の状況
砂漠化の状況
緑化後の状況(日中協力プロジェクト)
黄土高原(山西省での植林)
斜面に溝を作る、雨が少ないので水をためこむ必要があります(日中間無償植林プロジェクト)
溝に苗木を植える(無償植林プロジェクト)
黄土高原の村
(お話しを終わってからの感想としては、3年生には少し難しかったかも知れませんので、担任の先生から解説を加えていただければ有り難いと思っています。2005年7月21日記)
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