写真は、藤井威氏が駐スウェーデン大使として在任中に撮影され、カレンダーとして制作されたものです。
ユーシュホルムの冬
ヴァイキング遺跡あれこれ
紀元前3000年頃から紀元1100年頃まではスウェーデン史上ヴァイキング時代とよばれ、特に紀元800年頃からはじまったヴァイキング達の欧州遠征は欧州中世史を大きく左右するほどの影響力を持った。この間スウェーデン各地に無数の遺跡を残した。ストックホルム市郊外のルンザ砦の丘のほとりにも船型環状列石がある。海の民ヴァイキングにふさわしい船型の墓という説と、これ自体は墓ではなく葬送儀礼の行われた一種の祭壇ではないかという説がある。左下は古代ルーン文字が刻まれた碑文であり、スウェーデン全体で3000基以上あると言われる。現在ではほぼ完全に解読されていて、多くは「我が父は…遠征し、手柄を立て戦い死んだ」という類の文章が書かれている。
ホーガクステンの夏
ストックホルムはバルト海に向かう暑い氷河の流れが削りとった深い入り江の奥の小さな島ガムステン島を中心として発展した都市である。その周辺は極めて複雑な地型を示しているが、バルト海沿岸にはもう一か所、氷河が作った複雑で美しい造型を楽しめる地域がある。ストックホルム北方約480kmに位置するホーガクステン(ハイコースト)は深い狭湾と複雑な海岸線、数多くの湖沼が人を魅了してやまない。 国王カール16世グスタフ陛下御推奨のリゾートエリアである。点在する古い集落や小さな漁港、ヴァイキング遺跡など多くの歴史遺産がいろどりを添えるリゾート・エリアである。最近では、ここにサマーハウスを求めるスウェーデン人も多い。
ユーシュホルムの春
日本大使公邸の所在する高級住宅地ユーシュホルムにも待望の春が来た。道路の両側にたっぷりとられたパークと称する空閑地の木々と、各戸の持つ庭園の木々とが一体となって、一斉に色とりどりの花を咲かせるが、その花と緑に埋まるように一軒の高級住宅が見える。地域全体にこのような住宅が、それぞれの特徴を主張しつつ連なっている。ストックホルムの人々が一度は住みたいと思うあこがれの住宅地。