「新しい緑の国際協力と交流を生み出す」ための提言


平成16年5月31日、「新しい緑の国際協力と交流を生み出す会」による提言(全文・PDFファイル)が発表されました。
本提言を活かしていくための多くの方々のご意見や支援をお願いする次第です。
先ず提言をご一読いただければ幸いです。

目次と簡単な内容を知りたいと思われる方は、下記をご覧下さい。

なお、ご意見、アイデア等につきましては、小澤普照(FAX:03-3370-9872)までお寄せいただければ幸いです。


     記

「新しい緑の国際協力と交流を生み出す」ための提言(目次及び内容)

-資金力を背景とした国際協力の時代から人間力(全人格)を傾注しての交流を目指して- 

1. 生み出す会はこのようにして生まれた p.1
 平成15年8月、緑を中心にした新たな協力と交流について、提言をし、ボランタリーな運動の展開を呼びかけていこうとするメンバーが集まった。
2. 国益論の台頭と今後の展開 p.1
2.1. 今何故国益論が台頭してきたか p.1
 資源に乏しく、安定した国際関係のもとでの貿易や国際交流のなかでのみ発展が可能な我が国にとっての国益とは、それを可能にする長期的な世界の安定である。
2.2 協力と交流を主軸とするこれからの展開 p.2
 国際協力の三つの課題、貧困の撲滅、環境の保全、債務救済に対し、新しい緑の国際協力と、人材育成など水平的な国際交流を車の両輪とする課題の解決のための政策が推進されるべきである。
3. 地球益の視点に立っての緑の国際協力が必要 p.3
3.1 地球益・環境視点に立つ国際協力の方向 p.3
 緑の国際協力には、環境視点という大きな目標が設定されるべきであり、このことがまた、貧困の撲滅、清浄かつ安定的な水の供給、などのすそ野の広い困難な課題を解決することにも繋がる。
3.2 行政及び協力実施機関に望まれること p.4
そもそもODAの要諦は、被援助国及び援助国の双方に利益をもたらすことで成り立つものと考えられるところであり、また途上国に対し、どのようなエネルギーや動機を与えることができるかが重要である。
4. 真の交流の意義と実現を図るための諸提案 p.7
4.1. 真の交流とは p.7
 人間のもつ知・善などの優れた特性を磨き、その交流やふれあいによつて、より優れた社会をつくり出そうとすることにある。
4.2. 真の交流の実現を図るための諸提案 p.7
4.2.1. 双方向性交流の必要性 p.7
 文化交流、技術交流のあり方について見直す必要がある。
 例えば、緑を介した文化・学術交流の観点から、植物園について外国の例と我が国のそれを比較し対応していくことも必要である。
 また技術交流については、途上国における技術レベルも、国別格差はあるものの逐年向上してきている実態を反映させ、技術移転型交流から共同開発型交流へ転換するなど双方向型交流を目指すべきである。
4.2.2. 地域内連携から国境をこえたネットワークの形成にいたる連携強化策 p.8
 技術協力プロジェクト終了後の持続に難点がある。
 改善の一つの考え方として、地域内連携から国を跨るネットワークを確立して、成果の持続チェックや補強を行うシステムが必要である。
4.2.3 拠点整備とネットワークの強化 p.8
 従来の国際協力は、援助の手を差し伸べるという色彩が強かったためか、交流拠点の整備については手薄の感がある。
 とくに交流拠点としての森林空間の設定・整備の重要性についての認識が不足している。国際ネットワークへの積極的な参加や形成を通して交流を進めることが肝要である(具体的にはモデルフォレスト活動への参加を)。
4.3. 人材育成 p.8
 森林問題の解決に当たって人材の確保は欠かせないことであり、国内外における人材育成は急がれるべきである。
4.3.1. 海外諸国の人材育成 p.8
 日本は国際協力で多額の資金供与を行っているに関わらずそれに見合う感謝や尊敬が得られているとはいいがたい。
 より一層、人材育成に力を注ぐべきである。
4.3.2. 国内における人材育成 p.9
 国内における人材育成の要点は21世紀を担う若者に焦点をあてることである。
 また、国際人材の育成に徹底して取り組む必要がある。そのため国際人材養成大学院大学(仮称)のような育成機構において環境、生態、社会、国際関係、語学等のトレーニングを終了後、国際貢献活動の中核的人材とすることが考えられる。
4.3.3. 双方向型の交流方式による人材育成 p.10
 近年、大学等の間で交流協定を締結し、我が国の大学と外国の大学が提携して研究交流等を行うケースが急速に増加している。このようななかで最近、大学間連携を通して交流勉学を行い修了時点で双方の大学から同時に学位認定を行うという新しい発想も生まれている。
4.4. 人材が活躍できる舞台をつくる p.10
 現在、ようやくNGO(NPO法人を含む)の海外における活躍が増加してきたところである。
 人材には活躍の場が与えられなければならない。

むすび - 日本人の人格が反映される緑の協力と交流- p.10
 今、いろいろな場面で日本の真価が問われている。
 真価の発揮は究極的には、日本人の人格の真価が問われるものと考える。
 緑の協力と交流が、とくに息の長い地道なプロセスを経て成果が得られる分野であるからこそ、人間的な信頼が基本となるものであり、全人格を傾注して行う価値を有するものである。
 
(参考1)ドイツの無償資金協力実施方式 p.11
(参考2)モデルフォレスト活動 p.11
(参考3)東京工業大学と清華大学(中国)との合同大学院プログラム p.12

生み出す会の呼びかけ人一覧

甘利 敬正
岩倉 具三
小澤 普照 (ファシリテーター)
加倉井 弘
木原 啓吉
蔵治 光一郎
久保田 穣
神足 勝浩 (世話役)
新海 尚子*
原   剛
平川 幸子

註、*は新規加入


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