たにえみ
みなさま、大阪といえば 突っ込み でございます。今回、私は不安でした。芝居の最中、子供たちに突っ込まれたらどうしよう・・・。
というのも、私が演じる真希という女性は、22才でエイズ発病、恋人と結婚、24才でその短い生涯を終えるのです。
ということは 十三 七つ どころか、満月を通り越した私が、うら若き乙女になるということでして(笑)
「そんなドレスより、真希のほうがずっと綺麗だよ。」
と、突っ込み はいったらどうしよう・・・。
「だって、まだ24才ですから」
(以下同文)
北海道 公演の時は、シーンその1で笑いが、シーンその2でどよめきが起こり、最後にしっかり泣かせてまいりました。子供たちは、とっても素直?に お芝居を楽しんでくれました(笑)まさしく【笑って泣ける】素晴らしい仕上がり!!だったのです。
はてさて、大阪の中学生は・・・
先生より事前に 知的障害のある生徒がいて、がまんしきれずに騒ぐかもしれないと 申し入れがありました。そして、体育館に生徒入場。ドヤドヤ ガヤガヤ ワイワイ ペチャクチャ 元気がいい・・・というより すんごくウルサイ(笑)嫌な予感が・・・
ところがこの予感 みごとに大ハズレ!!
オトナとコドモの はざまにいる中学生、知的障害のある子。ひとりひとり、最後まで真剣にみてくれました。彼らの【感じる力】は、半端じゃありません。特に知的障害のある子は【理屈】などという【退屈な】ことを断固拒否し、【感じたままの真実】の世界でピュアに生きています。
私にとって一番恐いお客さんも、最後まで真剣にみてくれた・・・うれしかったです。またひとつ 【ちから】を与えられた一日でした。
今回の帰りは車、運転手はエマさんと私。エマさんは、劇団社長兼 営業兼 制作兼 照明、この作品のみ役者として出演しています。
長の道中。
あの名作映画【竜二】に、エマさんが出演していたことが判明!!この映画の脚本&主演、故人:金子正次と、ダチだったというのです!!
私はこの映画、3回も観ました。感動のあまり、シナリオも買いました。My Best 5に はいる作品です。
エマさんのご主人が金子正次と共演した【新撰組】の舞台の話、金子正次が癌で死んでしまうなどとは思いもせず、映画の次回作を語り合った話、.....etc.etc。憧れの人、金子正次のナマばなし満載!!
運転疲れもなんのその。眠気もぶっ飛ぶ500キロでした。
残念ながら今年度の、【今は】 公演はありません。さみしいけれど、旅日記もしばらくお休みです。来年度の予定は未定ですが、たくさんのかたに、観て頂けるといいなと思っています。
観たのは20年以上も前なのに、今でも鮮烈に蘇って来るラストシーン、永島映子が見せる【さびしげな笑顔】、最高!! 私も、人の心に【忘れられないシーン】を残せる役者になりたいです。
観てないかたは是非どうぞ。
新幹線で移動。名古屋駅で乗り換え、名鉄線にておよそ30分で岩倉到着。その30分程に行き合った車椅子の方はお二人。時間の短さの割に多いと思いませんか?もしかしたら、名古屋は障害者に優しい街なのかもしれません。
岩倉でちょっと寄り道、マクドナルドへ。名古屋の【喫茶店文化】の噂は耳にしておりましたが、何と、岩倉のマクドナルドは、雑誌を置いているのです!!驚きましたぁ!!!(名古屋の方、ごめんなさい;;)
今回は、小牧市・桃陵中学校での公演。私事で恐縮ですが、友人がお母さま・お子さん二人とご一緒に観に来て下さいました。その友人と私は、お互い妊婦だった頃に高田馬場・BIG BOXのマタニティ・スイミングで知り合った仲です。・・・ということは、14年ごしのお付き合い・・・。
名古屋に引っ越した彼女と最後に会ったのは、7,8年前だったでしょうか・・・。日帰りの強行軍で、七つ寺共同スタジオに芝居を観に行った時でした。その時も、わずかな時間しかないにもかかわらず、会いに来て下さって・・・。一緒に食べた"みそ煮込みうどん"のおいしかったこと!!
お付き合いというには、あまりに淡いけれど、とてもあたたかいものを感じています。
終演後、涙でぐちゃぐちゃの顔のまま挨拶に行ったら、彼女も、ウルウルの瞳で迎えてくれて・・・。「いい芝居だから、来てね」って、誘って良かった!!
たった一人のハートを射止めることが、 一万人の心をつかむことにつながる
私はいつも、そんな気持ちで芝居に取り組んでいます。皆様、この芝居を1回でも多く上演できるよう応援して下さいませ!!
帰路、JR東京駅から乗った山手線で、車椅子の兄さんと同道。彼は【車椅子のホームレス】と見紛う程、垢じみている。が、しかし、車椅子の曲乗り芸人のようにカッコ良かった!!
介助人が誰も居ず、駅員もいない=電車に乗るためのスロープが無い。どうするんだろう???と思っていると、電車が滑り込んで来た。
・・・と、彼は、モトクロスのように車椅子をウィリーさせて前輪を電車に乗せ、イカロスの翼のように両手を広げ、ドア両側の手すりをむんずとつかんで後輪を引き上げ、何事も無かったかのように車中の人となった。
おお~っ!すごい!!すご過ぎる!!!
(どこで降りるんだろう)と気になったのは言うまでもない。いつからか始まった貧乏ゆすりが、降車駅の近いことを伺わせる。そんな彼にとって、降りることはわけない事のようで、健常者が電車を降りるのと同じ自然さで、前輪をウィリーさせ、降りて行った。そしてその場所は、改札階に出るエレベーターの前にどんぴしゃり。
参りました。
車椅子の人が街中に居ることが、【当たり前】の社会になりますように!!
ひとみさん、心尽くしのお土産まで頂いて・・・本当にどうもありがとう、頑張るからね。