TK-Z80はこれからマイコンを修得しようとする方々が手軽に使えて,マイコンのハードソフトに親しみながら学習できるように作られたマシン語モニタ付トレーニングボードです。ICは全て標準DIP型を使用し信号観測が容易,しかも追加配線も簡単です。ボード上には8KバイトのROM,RAMに加え,PIO(i8255),SIO(i8251+RS232C)を使用し,扱い易さと機能の面で8ビットCPUの主流となったZ80の実習用教材としてご期待に沿えるハード構成になっております。
ユーザ用PIOはモニタ用と別になっておりPA〜PC全ポートが自由に使用できますので,PIO絡みの学習にフィットします。又,CPUの近くにはユニバーサルエリア,Vcc,GNDパターンを設け,7セグメントLEDの表示や圧電スピーカなど実習回路の組み立てが追加基板無しで簡単にできるよう配慮されています。
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マイコン学習の第一歩はマシン語に慣れることです。この段階で使うハードは操作性の良さが大事で,パソコンは必要ありません。Z80の命令は8ビット系ですから16ビットに比べれば多くはありませんし,難しくもありません。最初は簡単に理解できる命令だけ使ってもプログラムは書けますし,動作させることもできます。TK-Z80の説明書にはいくつかのプログラムが載っていますので,まずはマシン語をTK-Z80のキーボードから打ち込んで実行してみます。その操作を繰り返す内にマイコンの仕組みや動かし方が判ってきます。
TK-Z80の操作がマスタできると他の色々なプログラムを同じような手順で動かすことができる様になります。簡単な演算プログラム,SW入力やLEDで数字を出す際のハードソフトなど基本的なものを手がけ動作を確認することでマイコンの第一段階(初級)の目標は達成できます。
第2段階(中級)ではより大きなプログラムを作る必要性が出てきます。TK-Z80は前述のようにマシン語レベルの学習機として単体で使うことも可能ですが,パソコンと接続するとTK-Z80の通信機能により更にその機能を生かす事ができます。例えば,パソコン上でアセンブルしたプログラムをRS232C経由でTK-Z80のRAM上に転送すると言ったことも簡単にできます。従って,ハンドアセンブルの手間もマシン語をキーボードから打ち込む必要も無く,効率の良い実習環境でソフトハードの学習が可能です。
第3段階(上級)の実務レベルの学習に際しては,ブレイク実行やトレース等,デバッグ機能としてより高級な機能が要求されます。TK-Z80にはステップ実行に加え,ブレイクモード,間欠モードの実行が可能です。
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TK-Z80にはマシン語モニタプログラムのほかに,ハイパーZ80を標準実装しています。ハイパーZ80はWindowsXPまで標準で搭載されている通信ソフト‘ハイパーターミナル’,もしくは他のターミナルソフトを活用する簡易リモートモニタプログラムです。お手持ちのパソコンとRS232Cケーブル(ストレート)だけで,HEXファイルのロード,ダンプ,レジスタ表示,プログラムの実行,ブレーク,トレース等,マイコンビギナーが学習のために必要とする十分なデバッグ環境を提供します。
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TK-Z80は初級レベルから実務レベルの学習まで幅広く対応できるマイコンボードですが,オプションとして,TK-Z80と一体化できるPROMライタや更にマイコンの理解を深めるための学習キット(後述)が用意されており,TK-Z80を核にしてレベルの向上を計ることができるようになっております。
CPU/クロック周波数 | Z80,標準DIP / 4.9152MHz |
ROM/RAM | ROM-256KByte / RAM-64KByte(256KByteへ変更可) |
シリアルポート | 82C51 + RS232C(D-SUB25ピン) |
パラレルポート(#1,#2) | 82C55×2(#1:モニタ専用/#2:全ポートユーザ開放) |
LED表示方式 | 汎用ICによるDMA制御 |
INT割り込み | ユーザ開放(38h番地にはジャンプ命令書き込み済み) |
NMI割り込み | モニタ使用(シングルステップ実行用) |
基板サイズ | A5(148×210o) |
電源 | ACアダプタ(6〜12V,0.2A,2.1φセンターマイナス) |
モニタプログラム | ROMに書き込み済み,0h〜47FFh番地(ハイパーZ80標準実装) |
パソコン通信機能 | HEXファイルのアップ,ダウンロード機能あり |
レジスタ表示 | 可(パソコンのターミナルモードへも出力可) |
レジスタ変更,I/O変更 | 不可 |
メモリ表示,変更 | 可 |
通常実行,ステップ実行 | 可 |
ブレイク,間欠実行 | 可 |
TK-Z80に一体化できるPROMユニットでRAMに書き込んだマシン語プログラムをROM化して残す事ができます。又,パソコン上でアセンブルしたHEX形式のプログラムをRAM経由でROMに落とすことも出来ます。尚,読出しの先頭番地,最終番地,ROMの書き込み番地の指定が可能で,プログラムを分割して好きな所に再書き込みができますので,空きエリアに逐次追加していくことも可能です。書き込みできるROMは64K,128K,256Kbit,書き込み電圧は 12.5Vと21Vです。
I/Oトレーニングユニットはマイコンの入出力制御命令の基本的な考え方を丁寧に要約した学習教材で,LEDとスイッチを混在させた基板と対話形式の解説書で構成されています。従ってビギナや独学で始められる方またI/O命令の実際的な使い方について詳しく知りたい方には手ごろな教材と言えます。また,多少の配線作業もありますのでハードの実習を兼ねた教材(部品込み)としても最適です。
このユニットはマイコンのインターフェース例を一枚の基板にまとめ部品キットにしたもので,6つのテーマについて応用レベルのハード,ソフトの学習ができます。テーマはA/D変換と平均化処理,位相制御によるACパワー制御,学習型の赤外リモコン,プリンター制御,RTCを応用したカレンダー&タイマー,ダイナミック制御によるキー&LED表示で,回路的には各々独立しています。キット部品をプリント基板にハンダ付けするだけで部品同士の配線作業はありません。
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