第88号 中学デビュ <希望>

去年の春、娘が中学生になった。
入学式で新一年生は、担任の先生に名前を呼ばれて返事をする。
その日、我が子は体育館に響く大きな声で「ハイ!」と言った。
親というのは幸せだ。
そんな我が子のバカみたいな大声に心底喜ぶことができるのだから。
「いい声だったね」
「一番大きな声だったよ」
「実に見事だった」
「立派だった」
「あっぱれだった」
と、娘の入学式に参列してくれた祖父母や叔母(夫の姉)も大いに誉めてくれた。
うれしい入学式だった。
入学式から帰った日、娘は「担任の先生がこわそうだ」と不安と緊張で少々ビビッていた。
が、次の日、
「きょう、先生はちっともこわくなかった。学校はものすごく楽しかった」
と帰ってきた。
中学校生活に夢と希望をふくらませ、娘の中学校生活は楽しく滑り出した。
まさに、”中学デビュー”と呼ぶにふさわしい娘の中学校生活の幕開けだった。

つづく

中学デビュー <希望><試練><定期考査><思春期><友達

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