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…コラム…

  2023年 観た映画 9月

『女神の見えざる手』(2016/仏、米/ジョン・マッデン監督/ジェシカ・チャステイン、マーク・ストロング、ググ・バサ=ロー、アリソン・ピル、他)
「AVA」「ゼロ・ダーク・サーティ」のJ・チャスティン主演。天才的な戦略を駆使して政治を影で動かすロビイストの知られざる実態に迫った社会派サスペンス。米国での銃規制問題をテーマにしている点も興味深い。
★★★★☆

『スプリット』(2016/米/Ⅿ・ナイト・シャマラン監督/ジェームズ・マカボイ、アニヤ・テイラー=ジョイ、ベティ・バックリー、他)
「シックス・センス」「ヴィジット」のシャマラン監督が、ジェームズ・マカボイ演ずる乖離性同一性障害の男に女子高校生3人が拉致されるサイコ・スリラー。
ウィキペディアによると、”エピローグにおいて2000年公開の「アンブレイカブル」の主人公であるデヴィッドが登場し、本作と共通の世界であることが明かされる。「アンブレイカブル」と本作を踏まえた内容で2019年公開の「ミスター・ガラス」にストーリーが続いている。”と書かれていたが、この2作品は未見なので機会があれば観てみようと思う。
★★☆☆☆

『VIP 修羅の獣たち』(2017/韓/パク・フンジョン監督/チャン・ドンゴン、キム・ミョンミン、イ・ジョンソク、他)
北朝鮮の若きVIPで薄ら笑いを浮かべたサイコキラー、イ・ジョンソクが映る度に無茶苦茶腹が立ったのは、私だけでは無いはず。まぁ、それだけ上手い役者さんなんだろう。
★★★☆☆

『少女は悪魔を待ちわびて』(2016/韓/モ・ホンジン監督/シム・ウンギョン、ギム・ソンオ、ユン・ジェムン、他)
父を殺した殺人鬼への復讐を誓い、15年間待ち続けた少女の戦いを描いた韓国製クライムサスペンス。警察の無能さにイライラさせられつつ、ラストが何とも悲しい。
★★★☆☆

『モーリーズ・ゲーム』(2017/米/アーロン・サーキン監督/ジェシカ・チャステイン、イドリス・エルバ、ケビン・コスナー、マイケル・セラ、他)
少し前に観た「女神の見えざる手」のJ・チャステイン主演のモーグルのトップアスリートからポーカールームの経営者へと転身した実在の女性モリー・ブルームの栄光と転落を描いたドラマ。J・チャステインはクールで賢くて行動的で、反面脆さを持った役が上手いですなぁ。
★★★☆☆

『オアシス』(2002/韓/イ・チャンドン監督/ソル・ギョング、ムン・ソリ、アン・ネサン、チュ・グィジョン、他)
「ペパーミント・キャンディー」のイ・チャンドン監督が、社会に適応できない青年と脳性麻痺の女性の愛の行方を描いた、悲しくも詩的で美しい恋愛ドラマ。とにかく主人公2人の演技が凄い!一見の価値あり!
★★★★☆

2023/09/04(Mon) 17:03


  2023年 観た映画 8月

『マジカル・ガール』(2014/スペイン/カルロス・ベルムト監督/バルバラ・レニー、ルシア・ポシャン、ホセ・サクリタン、ルイス・ベルモト、他)
日本アニメが大好きな白血病の娘を喜ばせる為に起こした行動から、思いもよらぬ悲劇の連鎖を引き起こす様を終始淡々と観つめたヒューマンドラマ。暗〜くなりがちなシーンの中にもデティールにこだわった映像と音作りなど不思議な空気感を楽しめる作品。
★★★★☆

『悪女』(2017/韓/チョン・ビョンギル監督/キム・オクビン、シン・ハギュン、ソンジュン、キム・ソヒョン、他)
ストーリーは単純明快な復讐劇。役者も凄いがアクションシーンのキャメラ・ワークも凄い!
★★★☆☆

『評決のとき』(1996/米/ジョエル・シュマッカー監督/マシュー・マコノヒー、サンドラ・ブロック、サミュエル・Ⅼ・ジャクソン、ケビン・スペイシー、他)
人種差別問題が絡んだ事件の裁判を通して、正義と真実の問題に取り組む人々の姿を描いたサスペンス・タッチのヒューマン・ドラマ。今思うと豪華な顔ぶれですなぁ。
同じ法廷ものの『評決』はシドニー・ルメット監督。主演のアルコール依存症の弁護士ギャルビン演ずるはP・ニューマン。こちらの方が私はお気に入り。再鑑賞。
★★★☆☆

『太陽がいっぱい』(1960/仏、伊/ルネ・クレマン監督/アラン・ドロン、マリー・ラフォレ、モーリス・ロネ、他)
パトリシア・ハイスミスの原作小説を、巨匠R・クレマン監督が映画化したサスペンスドラマ。何度も観ている言わずもがな名作のひとつ。N・ロータの甘美なテーマ曲も耳に残る。
★★★★★

『TAR ター』(2022/米/トッド・フィールド監督/ケイト・ブランシェット、ニーナ・ホス、ノエミ・メルラン、ソフィー・カウアー、他)
まぁ、つまらなかった、期待していただけに外れもいいとこ。これK・ブランシェット主演じゃなければ何の賞なんて取っていないでしょう。LGBTQやイジメ、自殺、ナチスに宗教的な価値観の違いなども盛り込まれてはいるが、どうも中途半端で心に響いてこない。
★★☆☆☆

2023/08/14(Mon) 14:02


  2023年 観た映画 7月

『チェイサー』(2008/韓/ナ・ホンジン監督/キム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ソ・ヨンヒ、他)
04年実際に韓国で起きた連続殺人事件をベースに、殺人犯と元刑事の追跡劇を緊張感たっぷりに描き出した犯罪スリラー。これぞ韓国ノワール。グロイ描写も多めだが引き込まれる。
★★★★☆

『ビースト』(2019/韓/イ・ジョンホ監督/イ・ソンミン、ユ・ジェミョン、チョン・ヘジン、チェ・ダニエル、他)
2004年のフランス映画「あるいは裏切りという名の犬」のリメイクだが、大胆に翻案し、猟奇殺人事件に運命を狂わされた2人の刑事を描いたノワールスリラー。後味はあまり良くないが面白かった。
★★★☆☆

『顔のないスパイ』(2011/米/マイケル・ブラント監督/リチャード・ギア、トファー・グレイス、スティーブン・モイヤー、オデット・ユーストマン、他)
上院議員が殺害され、その手口から死亡したと思われていたソ連の伝説のスパイ・カシウスの名が浮上する。派手さは無いが面白かった。
★★★☆☆

『パリタクシー』(2022/仏/クリスチャン・カリオン監督/リーヌ・ルノー、ダニー・ブーン、アリス・イザース、他)
終活に向かうマダムを乗せたタクシー運転手が、彼女の人生をめぐるパリ横断の旅に巻き込まれていく1日を描いたヒューマンドラマ。ラスト近く10分以後は読めるのだが思わず泣いてしまった。シンプルで挿入歌も素敵な映画。補助席も出る程 大盛況の下高井戸シネマにて。
★★★★☆

『ロスト・ボディー消失』(2020/スペイン、独、仏/キケ・マイーヨ監督、トマシュ・コット、アシーナ・ストラテス、マルタ・ニエト、他)
J・デップ主演の映画「シークレット ウインドウ」(原作 スティーヴン・キングの小説「秘密の窓、秘密の庭」)と重なった。
★★☆☆☆

『悪魔は誰だ』(2013/韓/チョン・グンソプ監督/オム・ジョンファ、キム・サンギョン、ソン・ヨンチャン、チョ・ヒボン、他)
時系列通りに描いているように見せかけて実は全く違った時間の事を描くミスリードの巧妙さ。韓国の犯罪映画独特の血なまぐさい暴力描写は控えめだが、ズシリと胸に刺さる。
★★★☆☆

2023/07/17(Mon) 21:52


  2023年 観た映画 6月

『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998/英/ガイ・リッチー監督/ジェイソン・フレミング、デクスター・フレッチャー、ジェイソン・ステイサム、ビニー・ジョーンズ、スティーブン・マッキントッシュ、他)
イギリスの鬼才ガイ・リッチーが1998年に発表した長編デビュー作。悪友4人組が一獲千金を狙って巻き起こす騒動を予測不能な展開とスピード感溢れるスタイリッシュな演出で描いたクライム映画。面白かった!再鑑賞。
★★★★☆

『パーフェクト・ケア』(2020/米/J・ブレイクソン監督/ロザムンド・パイク、ピーター・ディンクレイジ、エイザ・ゴンザレス、ダイアン・ウィースト、他)
法廷後見人、マーラの仕事は判断力の衰えた高齢者を守り介護施設に住まわせケアすること。多くの顧客を抱え、裁判所からの信頼も厚いマーラだが、実は裏で医師や介護施設と結託して高齢者たちから資産を搾り取るという、悪徳後見人だった。ある日、新たに資産家の老婦を狙いに定めたことから歯車が狂い始める。才色兼備、鼻持ちならぬ自信満々のマーラがこのまま人生の勝利者としての展開だけはやめてくれと思いきや。。。
かなりの上質クライム・サスペンス・コメディー映画!
★★★★☆

『アイデンティティー』(2003/米/ジェームズ・マンゴールド監督/ジョン・キューザック、レイ・リオッタ、アマンダ・ビート、ジョン・ホークス、他)
豪雨のために交通が遮断され、さびれたモーテルに泊まることになった10人の男女。一人、二人と行方不明になり死体が発見される。予測不能なサスペンス劇。R・リオッタの瞳はいつも不気味。
★★★☆☆

『愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』(2019/日/中村真夕監督/鈴木邦男、足立正生、雨宮処凛、木村三浩、他)
異色の政治活動家、鈴木邦男の素顔に迫るドキュメンタリー。右に右にぐるっと行けば左に通じ、左に左にぐるっと行けば右に通ずるもんですなぁ。
★★★★☆

『マッドマックス 怒りのデスロード』(2015/米/ジョージ・ミラー監督/トム・ハーディー、シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト、ヒュー・キース=バーン、他)
根底にヒューマニズムを絡めた単純なストーリーとド派手なアクション!
★★☆☆☆

『完全なる報復』(2009/米/F・ゲイリー・グレイ監督/ジェラルド・バトラー、ジェイミー・フォックス、ブルース・マッギル、コルム・ミーニー、他)
愛する妻子を惨殺された主人公が、腐敗した司法制度に憤がいし、自らの手で犯人と事件関係者に制裁をくだしていくクライム・サスペンス。
★★★☆☆

『名もなき野良犬の輪舞』(2017/韓/ビョン・ソンヒョン/ソル・ギョング、イム・シワン、チョン・ヘジン、キム・ヒウォン、イ・ギョンヨン、他)
内容はよくある男の友情を絡めた犯罪韓国ノワール物だが、斬新なキャメラワークや色調、空気感などは以前の作品とは違い、随分とスタイリッシュ。面白かった。
★★★★☆

2023/06/05(Mon) 18:08


  2023年 観た映画 5月

『ゴヤ・マーダー』(2019/スペイン/ヘラルド・エレーロ監督/マリベル・ベルドゥ、アウラ・ガリート、ロベルト・アラモ、他)
「ゴヤの名画に見立てた猟奇殺人事件を追う2人の捜査員」と書かれたポスターに、これは「セブン」を彷彿させるスペインの良質クライムサスペンス?と期待して観たのだが、何だかどれも中途半端な描き方で期待外れ。残念。
★★☆☆☆

『顔の無い女』(1959/日/村山新治監督/松本克平、神田隆、堀雄二、他)
松本清張作品ほどの完成度は無きにしも非ずだが、当時の生活様式や街並みを観るだけでも結構楽しめた。好きな潮健児も出ていた。
★★★☆☆

『アナザーラウンド』(2020/デンマーク/トマス・ヴィンターベア監督/マッツ・ミケルセン、トマス・ボー・ラーセン、マグナス・ミラン、ラース・ランゼ、他)
「血中アルコール濃度0.05%を保つことで生活や仕事の効率が高まる」という説を、冴えない中年男性教師4人が検証しようと実行する姿をユーモアを交えほろ苦く描いたヒューマンドラマ。肩の力を抜いたⅯ・ミケルセンが良い味を出している。
★★★☆☆

『告発のとき』(2007/米/ポール・ハギス監督/トミー・リー・ジョーンズ、シャーリーズ・セロン、スーザン・サランドン、他)
イラク戦争に派兵されていた息子が行方不明になり、その後 無残な死体となって発見される。彼の父は地元警察の女性刑事と共に真相究明に乗り出すが、あまりにも悲しい真実を見ることになる。戦争は人を狂わせ悲しませる。
★★★☆☆

『メランコリック』(2018/日/田中征爾監督/皆川暢二、磯崎義知、吉田芽吹、他)
東大卒業後、うだつの上がらぬ生活を送っていた主人公。ある夜たまたま訪れた銭湯で高校の同級生と再会したのをきっかけに、その銭湯でアルバイトを始めるのだが、閉店後のその銭湯は人を殺し、後処理をする場所だった・・・。
設定からすると重くなりがちな内容だが、そうでもなく淡々と普通に進む展開に妙なリアリティーがあり、とても楽しめた。製作費300万。素晴らしい!
★★★★☆

『ザ・コンサルタント』(2016/米/ギャヴィン・オコナー監督/ベン・アフレック、アナ・ケンドリック、J・K・シモンズ、ジョン・バーンサル、他)
田舎町のしがない会計士クリスチャン・ウルフには、世界中の危険人物の裏帳簿を仕切り、年収10億円を稼ぎ出す命中率100%のスナイパーというもう一つの顔があった。
伏線がたくさん有り過ぎの感もあるが、まぁまぁ楽しめる。
★★★☆☆

『CURE』(1997/日/黒沢清監督/役所広司、萩原聖人、うじきつよし、でんでん、洞口依子、他)
メスマーという18世紀のドイツの医者が開発した患者の精神、とりわけ潜在意識に働きかける治療を取り入れた猟奇的殺人事件の真相を追う刑事の姿を描いたサイコ・サスペンス。朽ちた建物、蔦の這う交番、犯人の借りていた部屋、机、ベッドなど、細部にまでこだわった美術。ラストのレストランでのシーンもゾクッとした。「木乃伊取りが木乃伊になる」とはこの事。
★★★★☆

2023/05/15(Mon) 13:13


  2023年 観た映画 4月

『老後の資金がありません!』(2021/日/前田哲監督/天海祐希、松重豊、草笛光子、石井正則、他)
他人事として観ると笑えるが、実際に身内にこういう人が居ると大変だろうなぁ。天海祐希の気持ちがよく解る。葬式に300万もかけるなんて想像すら出来ない。予告編にも出てきた「私も宝塚に入ろうかと」「無理よ〜」には笑った。
★★★☆☆

『オルフェ』(1950/仏/ジャン・コクトー監督/ジャン・マレー、フランソワ・ペリエ、マリア・カザレス、マリー・デア、他)
半世紀近く前、初めて観た時は「ウルトラQ」の映像の様で、話も何が何やらさっぱり解らず、時おりスーッと現れる黒衣装の女性がやたら綺麗やなぁという印象しか残っておらず。その後『オルフェ』の題材が「黄泉がえり」「地獄めぐり」の基本形であることを知り、なるほどと興味を持って違和感なく鑑賞。筋としては、甲高い声のオルフェの自己中心的振る舞いには愛想を尽かしたくなるが、フィルムの逆回しやポジネガの反転、鏡を使ったりと随所に見られる特撮の技巧は流石である。
★★★☆☆

『詩人の血』』(1932/仏/ジャン・コクトー監督/エンリケ・リベロ、エリザス・リー・ミラー、ポリーヌ・カルトン、他)
「オルフェ」の後に続けて観たのだが、相通ずるモノが。冒頭、「詩はすべて紋章である、紋章を解読するには、詩人の血と涙を必要とする」との文言。この作品はコクトー9歳の時、拳銃自殺をした父親がモチーフになっていると言っても過言ではなかろう。
約100年前にこんな実験的な映画を撮っていたとは驚きである。
★★☆☆☆

『悪のクロニカル』(2015/韓/ペク・ウナク/ソン・ヒョンジュ、パク・ソジュン、マ・ドンソク、チェ・ダニエル、他)
予想の付く展開だが、人間の心理描写の細部までこだわった見事な脚本と演出、テンポの良さに最後まで一気に観てしまった。
★★★★☆

2023/04/30(Sun) 16:49


  2023年 観た映画 3月

『梅切らぬバカ』(2021/日/和島香太郎監督/加賀まりこ、塚地武雄/渡辺いっけい/森口瑤子、他)
老いた母 珠子(加賀)と自閉症の息子忠男(塚地)が、泣いたり笑ったり、厄介な事件に巻き込まれたりしながらも地域コミュニティとの交流を通して自立の道を模索する姿を描いた人間ドラマ。
★★★☆☆

『生きる』(1952/日/黒沢明監督/志村喬、小田切みき、伊藤雄之助、左卜全、菅井きん、他)
実に何十年振りでの鑑賞。志村喬の熱演も見事だが、この世の快楽地獄を連れ回すメフィストさながらの伊藤雄之助の存在感が印象に残る。今観ると、少し長いかな。
★★★★☆

『どっこい生きてる』(1951/日/今井正監督/河原崎長十郎、河原崎しず江、河原崎労作、飯田蝶子、木村功、他)
昭和27年頃の上野、山谷を舞台に貧しいながらも逞しく生きる家族を描いた作品で、イタリア、ネオリアリズモに匹敵するかの様な日本版X・デ・シーカ「自転車泥棒」。
出演者は前進座一党が占める。
★★★☆☆

『死ぬか生きるか』(2022/日/村橋明郎監督/吉見征樹、北じゅんこ、愛理、辻本晃良、他)
「還暦を過ぎた一人の映画監督に前立腺癌が見つかった。折しも世界的に蔓延したコロナウィルスの影響を受け、映画の企画も流れてしまう中、男が出した結論とは?」
40年来 付き合いのある村橋明郎監督作品。私も少しだけ出演させて頂きました。
現在、U—NEXTで配信中!
★★★★☆

2023/04/11(Tue) 12:32


  2023年 観た映画 2月

『クーリエ 最高機密の運び屋』(2020/英、米/ドミニク・クック監督/ベネディクト・カンバーバッチ、メラーブ・ニニッゼ、レイチェル・ブロズナハン、ジェシー・バックリー、他)
1962年、キューバ危機の舞台裏で繰り広げられた実話を基に、核戦争を回避するべく奔走する男たちの葛藤と決断をスリリングに描いたスパイサスペンス。M16とCIAが発案しスパイをやらせたのは、商売で頻繁に東欧諸国に出入りするB・カンバーバッチ扮する一般のイギリス人セールスマン。007のような派手なアクションシーンはないが、このスパイが等身大で身近に感じる分、一緒に体験している様に思え楽しめる。
★★★☆☆

『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』(2020/独/ゲロ・フォン・ベーム監督/ヘルムート・ニュートン、シャーロット・ランプリング、イザベラ・ロッセリーニ、グレース・ジョーンズ、アナ・ウィンター、他)
長年にわたって一流ファッション誌で女性を撮り続けた世界的ファッションフォトグラファー、ヘルムート・ニュートンを描いたドキュメンタリー。女性の力強さを際立たせる写真は流石。チャーミングで気取っていない本人も素敵です。
★★★☆☆

『ある秘密』(2007/仏/クロード・ミレール監督/セシル・ドゥ・フランス、パトリック・ブリュエル、マチュー・アマルリック、リュディヴィーヌ・サニエ、他)
フランスでベストセラーとなったフィリップ・グランベールの自伝的小説を晩年期のミレールが映画化。最高傑作と評される重厚な人間ドラマ。第二次大戦下のフランス、ユダヤ人一家の悲劇と秘密が、過去と現在を絡めて明らかになっていく。戦争、ユダヤ人、迫害という極限状況の中、アンナが取った行動は夫への復讐ではなかろうか。
ミレール作品は観る側の想像力と思考力も試される気がする。役者陣も良いですなぁ。印象に残る映画!
★★★★★

2023/02/26(Sun) 13:05


  2023年 観た映画 1月

『ピエロがお前を嘲笑う』(2014/独/バラン・ボー・オダー監督/トム・シリング、エリアス・ムバレク、ボータン・ビルケ・メーリング、他)
警察に出頭した天才ハッカーの青年が語る事件の顛末と、自白によって進められる捜査の行方を描いた犯罪サスペンス映画。
★★★☆☆

『陽のあたる教室』(1995/米/スティーヴン・へレク監督/リチャード・ドレイファス、グレン・ヘドリー、オリンピア・デュカキス、ウィリアム・H・メイシー、他)
音楽教育に30年間を捧げた高校教師の半生を描いた心温まる人間ドラマ。当時の社会の出来事、エピソードを挟みながら進むストーリーなので、主要な登場人物は若作りのメイクからの約30年間を演ずるのには苦労を要したと思う。最後の卒業生たちの楽団に黒人が1人も居なかったのは、あえて黒人差別に対する抗議かな?
★★★★☆

『ザ・ローリング・ストーンズ ロックン・ロール・サーカス』(1996/英/マイケル・リンゼイ=ホッグ監督/R・ストーンズ、J・タル、T・マハール、J・レノン、E・クラプトン、ザ・フー、Ⅿ・フェイスフル、J・E・デイヴィス、O・ヨーコ、他)
ストーンズが「ロックンロールとサーカスの融合」を目指して企画・製作・ホスト役を務め、1968年12月に撮影されながらも諸事情により1996年までお蔵入りとなった音楽映画の4Kレストア最新版。
音楽物は劇場で体験するのが一番ですな。
★★★★☆

『ザ・ローリング・ストーンズ チャリー・イズ・マイ・ダーリン』(2012/英/ピーター・ホワイトヘッド監督/R・ストーンズ)
ストーンズが1965年9月3日と4日に敢行したアイルランド・ツアーを記録したドキュメンタリーに2011年に新たに発見された未編集未発表のステージ映像を加えて再編集した2Kレストア版。
至福のひと時でした。
★★★★☆

2023/01/20(Fri) 13:35


  2022年 観た映画 12月

『キュクロプス』(2018/日/大庭功睦監督/池内万作、斉藤悠、佐藤貢三、あこ、杉山ひこひこ、他)
妻を殺された上、濡れ衣を着せられて投獄された男の復讐劇を二転三転で描くノワール映画。役者陣では財前役の杉山ひこひこのキャラクターが良い。全体として梅雨時期の湿気じっとりといった感じの作品で、B級ノワール映画が好きな方にはお薦めかも。ちなみにキュクロプスは英語読みではサイクロプス。
★★☆☆☆

『罪の声』(2020/日/土井裕泰監督/小栗旬、星野源、宇崎竜童、松重豊、古舘寛治、梶芽衣子、他)
実際にあった昭和最大の未解決事件「グリコ・森永事件」をモチーフにした塩田武士のミステリー小説「罪の声」を映画化。重厚で丁寧な描写がこの事件の闇の深さと時代の空気感を映し出す。
★★★★☆

『シークレット ウィンドウ』(2004/米/デヴィッド・コープ監督)/ジョニー・デップ、ジョン・タートゥーロ、マリア・ベロ、他)
スティーブン・キング原作の割には退屈な作品。
★☆☆☆☆

『ノイズ』(1994/米/ランド・ラヴィッチ監督/ジョニー・デップ、シャーリーズ・セロン、ジョー・モートン、他)
結果的にJ・デップ主演作を続けて観ることに。今作はさしずめ宇宙版「ローズマリーの赤ちゃん」。Ⅽ・セロンの金髪ショートもⅯ・ファローとダブってしまった。(余談だが、男装の麗人 水の江瀧子さんもこのヘアー・スタイルでした)アレックス役のニック・カサヴェテスは「ローズマリー・・」にも出演していたJ・カサヴェテスの息子さん。
★★☆☆☆

『喜劇 大安旅行』(1968/日/瀬川昌治監督/フランキー・堺、伴淳三郎、新珠三千代、笠置シヅ子、倍賞千恵子、他)
私が生まれ育った紀州南紀勝浦、新宮が主な舞台の作品で、フランキーさんの名演技と共に内容も温かく、当時の街並みを懐かしみつつ再鑑賞。単純に楽しめる作品。
★★★☆☆

2022/12/05(Mon) 15:22


  2022年 観た映画 11月

『レッド・スネイク」(2019/仏、伊、ベルギー、モロッコ/カロリー二・フレスト監督/アミラ・カサール、ディラン・グウィン、マヤ・サンサ、他)
is(イスラム国)の拉致から逃れた女性が、弟の救出の為に女性だけの特殊部隊「蛇の旅団」に加入して闘う史実に基ずいた物語。切ないけれど逞しい。
★★★☆☆

『空白』(2021/日/吉田恵輔監督/古田新太、松坂桃李、寺島しのぶ、他)
視点を変えると、加害者が被害者に。被害者が加害者になってしまう不条理。「空白」という題名の意味が終盤でよく理解出来た。この部分をあえて描いていないのがミソなのでしょう。
★★★☆☆

『RUN』(2020/米/アニーシュ・チャガンティ監督/サラ・ポールソン、キーラ・アレン、他)
愛情なのか狂気なのか、まぁ、恐ろしいですな。ほんで結局は同じ事を繰り返しているこの哀れな親子。。。ハラハラドキドキのサイコ・スリラー。
★★★☆☆

2022/11/08(Tue) 14:15


  2022年 観た映画 10月

『ゴッドファーザー』(1972/米/フランシス・フォード・コッポラ監督/マーロン・ブランド、アル・パチーノ、ジェームズ・カーン、ジョン・カザール、ロバート・デュヴァル、ダイアン・キートン、他)
これはもう言わずもがな重厚でスケールの大きい人間ドラマ。10回以上は鑑賞。
★★★★☆

『ゴッドファーザー PARTU』(1974/米/フランシス・フォード・コッポラ監督/アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ、、ジョン・カザール、ロバート・デュヴァル、ダイアン・キートン、他)
はい、何も言うことなし!!
★★★★★

『神々のたそがれ』(2013/露/アレクセイ・ゲルマン監督/レオニド・ヤルモルニク、アレクサンドル・チュトゥコ、ユーリー・アレクセービチツリーロ、他)
「フルスタリョフ、車を!」のA・ゲルマン監督が、ストルガツキー兄弟のSF小説『神様はつらい』を映画化。異星都市アルカナルを舞台に、地球から送り込まれた調査団が遭遇する権力者たちの蛮行を描く。
まぁ、これは凄いモノを観てしまった!全編、決してCGでは造り得ない、ただならぬ悪臭漂う どろどろ、ぬめぬめの迷宮世界に連れ込まれて約3時間。正直、何度も観たいとは思はないが、明らかに今まで観てきた印象に残る映画のベスト10に入る作品である。タルコフスキーの「ストーカー」(彼の作品では1番好き)に通ずる部分があるなぁと思ったら、同じ原作者だった。ただ、タルコフスキーのラストは、絶対的不可知性を感傷的な救済への予感というか余韻を残すが、ゲルマン監督は解決の無い無救済で観ている者を闇に放り投げる。。原題は幾度か台詞にも出てくる「神様はつらい」。全知全能の神もズバッと審判を下すことは簡単かも知れないが、ルマータが最後の最後まで観察者であった様に(最後は怒りを爆発させたが)常に我々人間に「お前たちはどうするんだ?」という問いかけがテーマなのかなぁとも思ったり。
余談だが、マルコ・フェレッリ監督の「最後の晩餐」も悪臭漂う作品です。
★★★★☆

『ジェントルメン』(2020/英、米/ガイ・リッチー監督/マシュー・マコノヒー、チャーリー・ハナム、ヘンリー・ゴールディング、コリン・ファレル、他)
ロンドンの下町を舞台にドラッグ、大金、希少品をめぐって6つの勢力のワル達が繰り広げる騙し合いや殺し合いを描いたクライム・サスペンス。本編の中で”映画の脚本”が語られる2重構造の上、登場人物も多く少しこんがらがるのと、せっかく乗ったテンポが急にスローダウンする残念さを除けば結構楽しめる。これだけのワル達を描いた作品名が「ジェントルメン」とは笑ってしまう。
★★★☆☆

2022/10/11(Tue) 14:46


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