「レッド・エージェント 愛の亡命」(2016/英、カナダ/シャミム・サリフ監督/レベッカ・ファーガソン、チャールズ・ダンス、他) 米ソ冷戦を背景に、亡命により離れ離れになった夫婦の運命を描いたラブサスペンス。過去と現在が交差しながらの進行に最初少し戸惑ったが、極めて解りやすい物語だったので単純に楽しめた。R・ファーガソン、好きな女優さんです。
「ミラノカリプロ 9」(1972/伊/フェルナンド・ディ・レオ監督/ガストーネ・モスキン、バーバラ・ブーシェ、マイオ・アドルフ、他) 70年前後イタリアのB級西部劇やギャング映画に多く観られる、男の美学とでも言うか、権力や組織の圧力にも決して屈しない己の力だけを信じて生きてゆく一匹狼の哀感を色濃く表現した作品のひとつ。 特にこのF・ディ・レオはS・レオーネの様な決して派手さも凝った演出も無いのだが好きな監督の一人。 「黄金の七人」「ゴッドファーザーPARTU」「暗殺の森」のG・モスキンもいい味を出しているが、今作の静かなギャング役も実に素晴らしい。
「ヨーロッパ横断特急」(1966/仏、ベルギー/アラン・ロブ=グリエ監督/ジャン・ルイ・トランティニアン、マリー・フランス・ロジェ、クリスチャン・バルビエール、他) 18年秋、不覚にも日本初公開時に見過ごしてしまっていたこの映画がアマゾン・プライムで公開されていたのでビックリ!早速鑑賞。う〜ん、メタ、メタ、メタファーで幾重にも重ねて構築された内容に正直付いて行けず。。。 監督自身も出演しているが、実験的映画として”ヨーロピアン・アヴァンギャルドの最重要作品”と評されたとおり、パリからアントワープへ麻薬を運ぶトランティニアンが繰り広げる波乱万丈な道中をただ楽しんで観ればそれなりに面白いかも。内容とは別にクラフトワーク「ヨーロッパ横断特急」が無償に聴きたくなった。↓
「シャンハイ」(2010/米、中/ミカエル・ハフストローム監督/ジョン・キューザック、コン・リー、チョウ・ユンファ、渡辺謙、他) 1941年の太平洋戦争前夜の上海を舞台に、中国、アメリカ、日本の巨大な陰謀と諜報機関を巡る攻防、国境を越えた男女の悲恋を描く。俳優陣は豪華ではあるが、ノワールなのかサスペンスなのか、はたまた禁断のラブ・ロマンスなのかある意味曖昧で作品としてまったく印象に残らず。残念!
「キャロル」(2015/米、英、仏/トッド・ヘインズ監督/ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ、他) 1950年代のニューヨークを舞台に、「ブルー・ジャスミン」のK・ブランシェットと「ドラゴン・タトゥーの女」のR・マーニの女性同士の美しい恋を描いた恋愛ドラマ。原作は「見知らぬ乗客」「太陽がいっぱい」「アメリカの友人」「リプリー」などで有名なパトリシア・ハイスミス。同性愛などを描くのが実に上手い作家ですなぁ。 ストーリーは単純なのだが、このK・ブランシェットとR・マーラーの圧巻の演技力。特にラストシーンのケイトの大女優たる妖艶な深く静かな表情に、はい、やられました。またオープニングとラスト、同じシチュエーションだけど視点を変えた粋なキャメラワークや当然ながら当時の時代設定を考慮した衣装にメイク、車、家具も素敵。また観たくなる素晴らしい作品! |