『96時間 リベンジ』(2013/仏/オリビエ・メガトン監督)リーアム・ニーソン、ファムケ・ヤンセン、マギー・グレイス、他) Ⅼ・ニーソン主演、Ⅼ・ベッソン制作、脚本で全米ヒットを記録した、エキゾチックな街イスタンブールが舞台のサスペンス・アクション。妻役のF・ヤンセン、整形前のこの頃は美しかったなぁ。 ★★★☆☆
『アングスト 不安』(1983/オーストリア/ジェラルド・カーグル監督/アーウィン・レダー、シルビア・ラベンレイター、エディット・ロゼット、他) 1980年にオーストリアで実際に起こった殺人鬼ベルナー・クニーセクによる一家惨殺事件を映画化した実録もの。不安とはこの殺人鬼が抱える歪んだ心理状態であろうと思われるが、幼少期の環境や体験が多かれ少なかれ誰しも心の奥底に潜在意識として形成されることは間違いない。主人公目線のアップショットと手持ちローアングルの長回しキャメラワーク、抑えたトーンのモノローグが臨場感を増す。クラフトワーク”ヨーロッパ横断特急”をベースにしたような音楽も不気味。 ★★★☆☆
『シュトロツェクの不思議な旅』(1977//西独/ヴェルナー・ヘルツォーク監督/ブルーノ・S、エヴァ・マッテス、クレメンス・シャイツ、ヴィルヘルム・フォン・ホンブルグ、他) ”誰でも金持ちになれるアメリカ”に夢と希望を抱き、ベルリンからアメリカに渡った彼等だったが複雑に錯綜する新たな苦難が待ち受け、それぞれの人生を狂わせてゆく切なくて儚いロード・ムービー。お気に入り「カスパー・ハウザーの謎」のカスパー同様、今作のシュトロツェクを演じるブルーノ・Sも演技ではなく、まるで彼本人の自伝映画を撮ったかのような錯覚に陥ってしまう。ヘルツォーク作品は何度観ても飽きない。再再鑑賞。 ★★★★★
『白いリボン』(2009/独、オーストリア、仏、伊/ミヒャエル・ハネケ監督/クリスティアン・フリーデル、エルンスト・ヤコビ、レオニー・ベネシュ。デトレフ、アンネ=カトレフ・グミッヒ、他) 「ピアニスト」「ファニーゲーム」などで知られるオーストリアの鬼才ミヒャエル・ハネケによるミステリー。 第一次世界大戦直前、気候も寒々しくて暗く、どんよりとした北ドイツの小さな村で連鎖的に起こる不可解な出来事。閉鎖的で抑圧された封建制度が根ずくこの村の不穏な空気と不安感をモノクロ映像が見事に醸し出している。そして抑圧されて鬱屈した気持ちは、より弱い存在を傷つける傾向が生まれる。こういう下地がナチスのファシズムに通じて行ったのかも知れない。 ★★★★☆ |