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…コラム…

  2025年 観た映画 9月

『放浪記』(1962/日/成瀬巳喜男/高峰秀子、田中絹代、加藤大介、伊藤雄之助、草笛光子、他)
「貧すれば鈍する」という諺もあるが、芙美子の場合その複雑な生い立ちや家庭環境、加えて失恋の痛手を、なりふりかまわぬ文学の鬼と化し才能を発揮させた稀な才女である。高峰秀子いい役者ですね。実際、彼女も複雑な家庭環境に翻弄され子役時代から生きていたが、ご自身と共通する部分もあったのでは。他の役者陣もみないい味を出している。「浮雲」がまた観たくなった。再鑑賞。
★★★★☆

『乱れる』(1964/日/成瀬己喜男/高峰秀子、加山雄三、三益愛子、草笛光子、白川由美、他)
変わりゆく時代の中で、たくましく店を切り盛りし、ひたむきに生きる戦争未亡人の礼子。実生活で夫の松山善三が余すことなく高峰の魅力を表現した脚本。揺れ動く女心を細かく丁寧に描く成瀬己喜男の演出も見事。う〜ん、時代に翻弄された女の悲劇ですなぁ。再鑑賞。
★★★★☆

『コックと泥棒、その妻と愛人』(1989/英、仏/ピーター・グリーナウェイ/リシャール・ボーランジェ、マイケル・ガンボン、ヘレン・ミレン、アラン・ハワード、ティム・ロス、他)
大人の人間の持つ醜い欲望を描いた、これまた内容はかなりグロテスクな賛否両論のハッキリ分かれる作品ですな。幼少期から画家を目指し美術学校に通ったというグリーナウェイだけあって、その美しい映像美には感心しかり。ヘレン・ミレンも体当たりの演技でよい。ただ、食事をしながら観る映画ではありません。再鑑賞。
★★★☆☆

『ハンガリー連続殺人鬼』(2016/ハンガリー/アールパード・ショプシッツ/カーロイ・ハイディク、カーボル・ヤースベレーニー、ジョント・アンガー、他)
1957年〜67年にかけてハンガリーを震撼させた実際に起きた連続殺人事件を元に映画化。当時のハンガリーはまともに街灯もなく、暗い夜道や川沿いを女性一人で歩くのは危険極まりない。そこにつけ込む歪んだ人格の殺人鬼も許せないが、社会主義国における情報の隠蔽(近年は日本も怪しいが)や、自己保身に走る司法官僚の姿も情けない。また、レーティとボグナールがあまりにも似すぎていて初めは双子!?と思ってしまった。全体に画面も暗く冷たい空気感が漂う独特の作品。
★★★★☆

『ビー・デビル』(2010/韓/チャン・チョルス/ソ・ヨンヒ、チ・ソンウォン、パク・チョンハク、他)
何とも救い難い、閉鎖的な男尊女卑の孤島が舞台の悲惨な復讐劇なのだが、数十年に亘っての虐げと屈辱に爆発する主人公の気持ちも解る。勿論、手を掛けるのは良くないが、見て見ぬ振りは一番悪かろう。ラスト、女性の横たわった被写体が島の外形に重ね合わせた映像は面白かった。
★★★☆☆

2025/09/06(Sat) 14:56


  2025年 観た映画 8月

『日の丸 寺山修司40年目の挑発』(2022/日/佐井大紀/高木史子、シュミット村木眞寿美、萩元晴彦、他)「日の丸と言ったらまず何を思い浮かべますか?」、「家族と祖国どちらを愛してますか?」、「外国人の友達はいますか?」、「もし戦争になったらその人と闘えますか?」等、1967年に寺山修司と萩本晴彦が手掛けたTBSテレビの街頭インタビューを約半世紀後に同じ手法でやってみたらというドキュメンタリー。
突撃インタビュー自体は面白いが、半世紀前の人々の、国家と個人の関係に関する意識は勿論、時代も環境も違う現代人とは当然比較は出来ない。作品として結局何を伝えたかったのか、よく判らずじまいで残念。断片的には67年当時の映像は観たこともあるが、本編を観てみたい。
★★★☆☆

『犯罪都市 NOWAY OUT』(2023/韓/イ・サンヨク/マ・ドンソク、イ・ジュニョク、青木嵩高、イ・ボムス、國村凖、他)
相変わらずの悪党をなぎ倒すレベルアップしたマ・ドンソクの鉄拳が爽快!
國村凖の見せ場が少ないのが残念。
★★★☆☆

『犯罪都市 PUNISHMENT』(2024/韓/ホ・ミョンヘン/マ・ドンソク、キム・ムヨル、イ・ドンフィ、パク・ジファン、他)
拳銃も武器も持たずに事件に立ち向かう警察官はコロンボとマ・ドンソクぐらいか。それにしてもお決まりのマ・ドンソクの悪党への鉄拳制裁は小気味よく、面白おかしいお茶目な場面も観ていて楽しい。K・ムヨルと共演の「悪人伝」も良かったな!
★★★☆☆

『ブラックサイト』(2008/米/グレゴリー・ホブリット/ダイアン・レイン、ビリー・バーク、コリン・ハンクス、ジョセフ・クロス、メアリー・ベス・ハート、他)
怖いもの見たさは人間の性か。。。

『教皇選挙』(2024/米、英/エドワード・ベルガー/レイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー、カルロス・ディエス、イザベラ・ロッセリーニ、他)
カトリック教会における教皇につぐ最高位の聖職者である枢機卿ですら、結局、地位争いが絡めば欲丸出しのひとりの人間であり、純粋無垢な人間などいない。重厚なシスティーナ礼拝堂の閉ざされた扉の向こうとバチカン宮殿内で繰り広げられるやり取りは、人間の内に秘める”業”を炙り出す。R・ファインズはじめ脇を固める役者陣の抑えた演技は見応え充分。映像も美しく、噴水らしき周りを白い傘を差した彼等が歩いて来る俯瞰の場面も印象に残る。ラストは今の世の中を意識したのかな。
「我々は“理想”に仕える人間であって、”理想”そのものではない。」ふむふむ。
★★★★☆

『梟』(2022/韓/アン・テジン/リュ・ジュンヨル、ユ・ヘジン、チェ・ムソン、チョ・ソンハ、他)
二転三転する緻密なサスペンス・ストーリーに目が離せない。面白かった。日本の宮家は平和だ。
★★★★☆

2025/08/17(Sun) 12:32


  2025年 観た映画 7月

『Π(パイ)』(1998/米/ダーレン・アロノフスキー/ショーン・ガレット、マーク・マーゴリス、ベン・シェンクマン、サミア・ショアイブ、他)
「ブラック・スワン」「ザ・ホエール」のダーレン・アロノフスキー監督が1998年に発表した長編デビュー作。数字にとり憑かれた男の狂気を、疾走する手持ちキャメラ、ざらついたモノトーンのハイライト強めのアップショット映像が先鋭的で印象に残る。面白かった。
★★★★☆

『パフューム ある人殺しの物語』(2006/独/トム・ティクバ/ベン・ウィショー、レイチェル・ハード=ウッド、アラン・リックマン、ダスティン・ホフマン、他)
香りや音楽は一瞬にして、善きにしろ悪しきにしろ脳裏と心を過去に導いてくれる。魅惑的でもあり人を狂気にも走らせる。面白かった。再鑑賞。
★★★☆☆

『パリの調香師 しあわせの香りを探して』(2019/仏/グレゴリー・マーニュ/エマニュエル・ドゥボス、グレゴリー・モンテル、セルジ・ロペス、ギュスタブ・ケルベン、他)
挫折した天才調香師が人生崖っぷちな運転手との交流を通して再生していく姿を、ディオールの撮影協力&エルメスの専属調香師監修のもと描いた大人のフランス・ヒューマンドラマ。
★★★☆☆

『歩いても 歩いても』(2008/日/是枝裕和/阿部寛、夏川由衣、YOU、加藤治子、樹希希林、他)
じわぁ〜っと胸に沁みる作品。再鑑賞。
★★★☆☆

『ソウルの春』(2023/韓/キム・ソンス/ファン・ジョンミン、チョン・ウソン、イ・ソンミン、パク・へジュン、キム・ソングン、他)
韓国近代史の闇をフィクションも上手く混ぜ重厚に描いた最高のエンタメ作品。この史実の結果は知っていたが、前後の歴史をもう少し詳しく学んでいたらもっと楽しめたと思う。クーデターを企てたチョン一派とそれを阻止しようとするイ司令官と部下。裏切りや無能な権力者に振り回されながらも目的を断行遂行するという、双方の熱い想いがひしひしと伝わって来て引き込まれる。主要人物以外の区別がつきづらい点はあるが、こういう圧倒的熱量の軍事映画を作ってしまう韓国映画界の底力にあっぱれ。
★★★★☆

2025/07/06(Sun) 22:10


  2025年 観た映画 6月

『コンプライアンス 服従の心理』(2012/米/クレイグ・ゾベル/アン・ダウド、ドリーマ・ウォーカー、パット・ヒーリー、ビル・キャンプ、他)
”110”で終わる番号通知の詐欺事件への注意報道を最近よく目にするが、実際に2004年、米ケンタッキー州のファーストフード店で起きた事件を映画化。今でこそ折り返し警察署に電話をして確かめる等、未然に防ぐことも出来ただろうが、権威へ服従してしまう人間の心理をイライラさせる程、巧妙に描いている。
★★★☆☆

『窓』(1949/米/テッド・テズラフ/ボビー・ドリスコール、アーサー・ケネディー、バーバラ・ヘイル、ポール・スチュアート、他)
面白かった。ヒチコック、O・ウェルズ然り、モノクロの光と影、キャメラワーク、音が秀逸でハラハラドキドキ。同監督の「孤児」も観てみたい。
★★★☆☆

『ショータイムセブン』(2025/日/渡辺一貴/阿部寛、錦戸亮、竜星涼、吉田剛太郎、前原瑞樹、他)
冒頭、落ちた清掃員の眼鏡のカットの長いこと。伏線の張り方があざと過ぎて、嫌な予感が。。。うわぁ〜っ、当たってしまった〜。脚本が良くないのかなぁ。
★☆☆☆☆

『さがす』(2022/日/片山慎三/佐藤二郎、伊藤蒼、清水尋也、森田望智、品川徹、他)
「岬の兄妹」の片山慎三監督が佐藤二朗を主演に迎え、姿を消した父親と、必死に父を捜す娘の姿を描いたヒューマンサスペンス。何とも哀しくて妙に心に残る作品。役者も良い。ピンポンのラリーが印象的。
★★★★☆

『Broken Rage』(2024/日/北野武/ビートたけし、浅野忠信、大森南朋、仁科貴、白竜、中村獅童、他)
警視庁大川南警察署とか細かい所にまで気を遣ったギャグにも笑わせてくれる。まぁ、こういうおふざけモノもたけしさんなら有りでしょう。嫌いではありません。
★★★☆☆

『悪い男』(2001/韓/キム・ギドク/チェ・ジェヒョン、ソ・ウォン、チェ・ドンムン、キム・ジョンヨン、他)
韓国の鬼才キム・ギドクが脚本、監督。屈折した男女の愛を描くのが上手いですね。再鑑賞。
★★★☆☆

『HARUKO ハルコ』(2004/日/野澤和之/鄭乗春(金本春子)、金性鶴、金英順、梁義憲、金性行、他)「母よ!引き裂かれた在日家族」(フジテレビ「ザ・ノンフィクション」)2003年放送時、あまりにも反響が大きく、劇場用に再編集された長編ドキュメンタリー。激動の時代を貪欲に生き抜いた在日韓国人女性の、熱く強く逞しくも哀しい壮絶な生き様が胸を打つ。息子の撮ったモノクロ・フィルムの映像が生々しい。
余談だが、この映画のプロデューサー岡田氏にⅯ・デイビスのちと珍しいCDをお貸ししたらお礼にとDVDを戴いたのであります。
★★★★☆

『だぁほ!! パギやん、愛と怒の遺言』(2025/日/大須賀博/趙博、今井一、笑福亭銀瓶、石川真生、中川五郎、多田裕美子、高山正樹、他)
いつも熱い熱い反骨の男パギやん。マイノリティーの視点に立って、理不尽で筋の通らぬ権力者やヘイトする民に対し、「だぁほ!!」と春夏秋冬ギター1本担いで日本全国を行脚する姿は逞しい。ほんで、パギやんは常に怒っているが、その裏には、必ずいつも愛が漂っている。
だからこそ、彼の周りには魅力ある血の通った方達が寄り添っている。ブレぬ男、パギやん。今後の活躍にも目は離せない。
1月にadd9thでやった『だぁほ!!』完成記念ライブ、お客さんは少なかったが有意義な時間だったなぁ。
(ポレポレ東中野)
★★★☆☆

2025/06/05(Thu) 12:33


  2025年 観た映画 5月

『PHANTOM/ユリョンと呼ばれたスパイ』(2023/韓/イ・ヘヨン/ソル・ギョング、イ・ハニ、パク・ソダム、パク、ヘス、他)
1930年代、日本統治下のソウル、総督暗殺を阻止するため、暗躍する抗日組織「黒色団」のスパイ「ユリョン」を炙り出すべく、人里離れたホテルに集められた容疑者達と日本政府との心理合戦と死闘を描く。立場上、複雑な出自を背負う胸中の村山の登場はひとひねり有り新鮮。それと日本語の台詞を覚えるのもさぞ大変だったろうと思う。
★★★☆☆

『天使のはらわた 赤い淫画』(1981/日/池田敏春/泉じゅん、阿部雅彦、伊藤京子、栗田よう子、鶴岡修、山科ゆり、他)
原作、脚本 石井隆、監督 池田敏春、撮影 前田米造。まさに時代を超える傑作ですな。再鑑賞。
★★★★☆

『敵』(2023/日/吉田大八/長塚京三、滝内公美、河合優実、黒沢あすか、二瓶鮫一、松尾論、他)
長塚京三演ずる元大学教授の渡辺儀助77歳。まるで「PERFECT DAYS」の平山の様に清楚な毎日を淡々と同じルーティーンで過ごし、預金の残高と人生の終幕の折り合いをつける生活を送る彼に忍び寄る老い。認知症を患い妄想と葛藤する姿が痛々しく怖い。脇を固める役者陣も好く、陰影のあるモノクロ映像が美しい。
★★★★☆

『ルクス・エテルナ 永遠の光』(2019/仏/ギャスパー・ノエ/シャルロット・ゲンズブール、ベアトリス・ダル、アビー・リー・カーショー、クララ3000、他)
「CLIMAX」「アレックス」などで知られるフランスの鬼才ギャスパー・ノエが、映画への愛と狂気を独特の映像で描いた異色作。前半のシャルロットとベアトリスの会話は脚本無しのアドリブと言うか、普通の会話でしょう。「ベティ・ブルー」良かったなぁ。G・ノエはかなり癖が強いので心して観たが、見事にイライラ感がずーっと続く作品だった。終盤の色鮮やかな点滅シーンはアート的で美しいと言えば美しい。
★★☆☆☆

『名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN』 (2024/米/ジェームズ・マンゴールド/ティモシー・シャラメ、エドワード・ノートン、モニカ・バルバロ、エル・ファニング、初音映莉子、他)
ディランは常に、裏切り、嫌な奴で、転がり続ける魅力ある偉大な”Song
& Dance Man”!
★★★★☆

『プラットホーム』(2019/スペイン/ガルダ−・ガステル=ウルティア/イバン・マサダ、アントニオ・サン・フアン、ゾリオン・エギレオル、エミリオ・ブアレ、他)
突っ込みどころ満載だが、いろいろと考えさせられるシチュエーション・スリラー。アイデアは面白い。
★★★☆☆

2025/05/04(Sun) 15:39


  2025年 観た映画 4月

『ヒプノシス レコードジャケットの美学』(2022/英/アントン・コービン/ロジャー・ウォータース、デヴィッド・ギルモア、ロバート・プラント、ジミー・ペイジ、他)
1970〜80初頭を中心に、ピンク・フロイド、レッド・ツェッペリン、ポール・マッカートニーといった人気アーティストたちのアルバムデザインを手がけたデザイン集団・ヒプノシス。その独創的なデザインは、それまで宣伝用パッケージに過ぎなかったレコードジャケットの概念をくつがえし、芸術の域にまで高めた狂気とも言える舞台裏を追ったドキュメンタリー。ポランスキー「反撥」の映像も出て来てビックリ!面白かった!
★★★★☆

『死刑にいたる病』(2022/日/白石和彌/阿部サダヲ、岡田健司、岩田剛典、宮崎優、鈴木卓爾、他)
櫛木理宇の原作「つながれた犬」を「凶悪」「孤狼の血」の白石和彌が監督したサイコ・スリラー。
家庭環境などで心に深い傷を持つ人間の深層心理をうまく洗脳し、支配していく阿部サダヲ演じる榛村の蛇のような瞳と静かな狂気は流石。拘置所でのいつの間にか面会窓を通り抜け絡み合う手やマサヤの肩を抱く暗喩的映像も面白い。原作の題名に納得。
★★★★☆

『ザ・ゲスト』(2014/米、英/アダム・ウィンガード/ダン・スティーヴンス、マイカ・モンロー、ブレンダン・マイヤー、シーラ・ケリー、他)
あまり余計な事を考えずに観ると結構楽しめる。こういうB級作品もあっていい。
★★★☆☆

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2022/米/ミシェル・ヨーエブリン、キー・ホイ・クァン、ステファニー・シュウ、ジェイミー・リー・カーティス、他)
ハチャメチャだけどよくまとめられていて楽しませて頂いた。
★★★☆☆

『サバイバー』2015/米、英/ジェームズ・マク・ティーグ/ミラ・ジョボビッチ、ピアース・ブロスナン、ディラン・マクダーモット、アンジェラ・バセット、他)
まぁ、こんなもんでしょう。
★★★☆☆

2025/04/06(Sun) 19:43


  2025年 観た映画 3月

『インフィニティー・プール』(2023/カナダ、クロアチア、ハンガリー/ブランドン・クローネンバーグ/アレクサンダー・スカルス・ガルド、ミア・ゴス、クレオパトラ・コールマン、トーマス・クレッチマン、他)
流石、Ⅾ・クローネンバーグの長男、独自の世界観を持つカルト的人気を集める鬼才B・クローネンバーグ監督のブッ飛んだ作品。
★★★☆☆

『海にかかる霧』(2014/韓/シム・ソンホ/キム・ユンソク、ユ・チョン、イ・ヒジュン、ムン・ソングル、、キム・サンホ、他)
2001年、韓国で実際に起こった「テチャン号事件」を題材に、「殺人の記憶」「グエムル 漢江の怪物」のポン・ジュノが制作、「殺人の記憶」の脚本を担当したシム・ソンボが監督デビュー作のサスペンス。ジメジメして魚臭くて、ほんでもってシニカルで怖い。再鑑賞。
★★★★☆

『クーデター』(2015/米/ジョン・エリック・ドゥードル/オーウェン・ウィルソン、ピアース・ブロスナン、レイク・ベル、他)
海外赴任先でクーデターに巻き込まれた男のサバイバルを、O・ウィルソン&P・ブロスナン共演で描いたスリラー。実際にあり得ることなのでリアルで怖かった。
★★★☆☆

『チェイス』(2022/米/ブライアン・グッドマン/ジェラルド・バトラー、ジェイミー・アレキサンダー、ラッセル・ホーンズビー、イーサン・エンブリー、他)
ジェラルド・バトラー主演の犯罪組織に妻を誘拐された男の必死の追跡劇を描いたアクション。まぁ、可もなく不可もなく。。。
★★☆☆☆

2025/04/06(Sun) 18:44


  2025年 観た映画 2月

『Mommy』(2024/日/二村真弘/林眞須美、林健治、他)
今だにマスメディアなんてず〜っと信じてはいないし、この事件に対してもなぜ最審が認められないのか。。。
改めて悶々とした心持ちが残る作品だった。カオスやなぁ。
★★★☆☆

『暗殺の森』(1972/伊、仏、西独/ベルナルド・ベルトリッチ/ジャン=ルイ・トランティ二アン、ドミニク・サンダ、ステファニア・サンドレッリ、ガストーネ・モスキン、他)
ベルトルッチと撮影監督ビットリオ・ストラーロのコンビが描く映像美は何度観ても素晴らしい!再々鑑賞。
★★★★☆

『ハント』(2022/韓/イ・ジョンジェ/イ・ジョンジェ、チョン・ウソン、チョン・ヘジン、
ホ・ソンテ、他)
80年代 韓国政府の情報部で二重スパイ探しに駆けずり回る姿を史実と虚構を織り交ぜテンポよく描いた傑作。面白かった!
★★★★☆

『ヴェルクマイスター・ハーモニー』(2000/ハンガリー、独、仏/タル・ベーラ/ラルス・ルドルフ、ペーター・フィッツ、ハンナ・シグラ、他)
ハンガリーの鬼才タル・ベーラが大作「サタンタンゴ」に続いて撮りあげた長編作品。「サタンタンゴ」に通ずる現代人に対しての警告であり、黙示録とも取れる。コントラストの強いモノクロの映像は美しい。H・シグラ「マリア・ブラウンの結婚」がまた観たくなった。
★★★★☆

2025/03/02(Sun) 13:57


  2025年 観た映画 1月

『ブラック・スワン』(2010/米/ダーレン・アロノフスキー/ナタリー・ポートマン、バンサン・カッセル、ミラ・クニス、バーバラ・ハーシー、ウィノラ・ライダー、他)
どの世界でも一流と呼ばれる方達は少なからず精神的に追い詰められ、血反吐を吐きながらも乗り越えて来たんだろうなぁ。それ位の精神力も持ち合わせていたということ。二ナ(N・ポートマン)は家庭環境も影響し、メンタルももろく生真面目過ぎたのかな。ドッペル・ゲンガーに苛まれてゆく過程は本当に痛々しい。
★★★☆☆

『アウトフィット ある仕立て屋の長い夜』(2022/米/グレアム・ムーア/マーク・ライランス、ゾーイ・ドゥイッチ、ジョニー・フリン、ディラン・オブライエン、他)
訳ありの仕立て屋がギャングの抗争に巻き込まれていくサスペンス。
腕利き仕立て屋の店内のみで繰り広げられる、良質で静かな台詞で魅せる会話劇。素晴らしい秀逸作でした!
★★★★☆

『コンタクト・キラー』(1990/フィンランド、英、独、スウェーデン/アキ・カウリスマキ/ジャン=ピエール・レオ、マージ・クラーク、ケネス・コリー、アンジェラ・ウォリシュ、他)
不器用な人々のユーモアとペーソスを重くなり過ぎなく描くのが本当に上手いですなぁ。マーガレットも美しい。眼鏡屋の店主は監督本人。佳き作品。
★★★★☆

2025/01/13(Mon) 15:47


  2024年 観た映画 12月

『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』(2016/スペイン/オリオル・パウロ/マリオ・アナ・ワヘネル、ホセ・コロナド、バルバラ・レニー、他)
密室殺人の容疑者とその弁護人が「悪魔の証明」(=存在しない事実の証明)を成し遂げて無罪を勝ち取ろうとする姿を描いたスペイン製クライム・サスペンス。ネタバレになるのであまり語りません。面白かった!
★★★★☆

『アメリカン・サイコ』(2000/米/メアリー・ハロン/クリスチャン・ベール、ウィレム・デフォー、ジャレッド・レト、ジョシュ・ルーカス、他)
1980年代のウォール街を舞台に、投資銀行に勤めるヤッピー(エリート・サラリーマン)の心の闇を描くサイコ・スリラー。というより中途半端なブラック・コメディー。
★★☆☆☆

『アポカリプト』(2006/米/メル・ギブソン/ルディ・ヤングブラッド、ダリア・ヘルナンデス、ラオール・トゥルヒロ、ジョナサン・ブリューワー、他)
スペイン人侵略直前のユカタン半島を舞台に、生贄にされそうになった捕虜の脱走と生き残りを掛けた逃走を描くアクション・アドベンチャー。全編通じて、マヤ語を使っており、衣装やメイク、美術等にはそれは金を掛けたであろう作品。生贄をささげるシーンはリアルで目を背けたくなる。再鑑賞。
★★★★☆

『アトミック・ブロンド』(2017/米、独、スウェーデン/デヴィッド・リーチ/シャーリーズ・セロン、ジェームズ・マカヴォイ、ジョン・グッドマン、エディ・マーサン、他)
1989年 冷戦末期、ベルリンの壁崩壊直前のベルリンを舞台に、腕利きのスパイが奪還を命じられた最高機密のリストをめぐってし烈な戦いを繰り広げるというストーリー。スタイリッシュでテンポも良く、どんでん返しあり、挿入音楽も懐かしく十二分に楽しめる!再鑑賞。
★★★★☆

2024/12/13(Fri) 13:46


  2024年 観た映画 11月

『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル 1080、コメルス湖畔通り23番地』
(1975/ベルギー、仏/シャンタル・アケルマン/デルフィーヌ・セイリグ、ジャン・ドゥコルト、ジャック・ドニオル=バルクローズ、他)
ジャンヌの儀式化された凡庸で几帳面な日常が次第に壊れてゆく様子を、近付き過ぎることもなく、遠過ぎることもない一定の距離を保つカメラアングルと、極端に削り取られた台詞と彼女の微妙な心の動きの変化を研ぎ澄まされた演出で表現しているところは流石。ラストの長回しも圧巻。Ⅾ・セイリグ、「去年マリエンバードで」でもそうだったが、アンニュイですなぁ。やっと観られた!少々長いが観る価値は有り!
★★★★☆

『フロッグ』(2019/英/アダム・ランドール/ヘレン・ハント、ジョン・テニー、オーウェン・ティーグ、リベ・バーラー、他)
「恋愛小説家」「セッションズ」のヘレン・ハント主演によるサスペンススリラー。な〜るほど、そういう事だったんですね。2つの物語を上手く交差させながらのどんでん返し!面白かった!
★★★★☆

『searchi/サーチ』(2018/米/アニーシュ・チャガンティ/ジョン・チョウ、デブラ・メッシング、ミシェル・ラー、ジョセフ・ラー、他)
普段、映画を観る以外にこんなにパソコンの画面を見ることがないので最後まで飽きずに鑑賞出来るかの不安とギミックありきの作品かと思いきや、いやいや よく練られた脚本に最後まで楽しめた。現在社会が抱える問題や皮肉も取り入れ、親子愛も感じられる良質なサスペンス。
★★★★☆

『真夜中の虹』(1988/フィンランド/アキ・カウリスマキ/トゥロ・パヤラ、スサンナ・ハービスト、マッティ・ペロンパー、E・ヒルカモ、他)
南を目指す男の波乱万丈な旅を、A・カウリスマキが淡々としたタッチで描くハードボイルド・ロマンス。シリアスでペーソス感漂う中にもクスッと笑ってしまうカットを散りばめ、陰湿にならない演出は見事。素晴らしい作品。★★★★☆

『無双の鉄拳』(2018/韓/キム・ミンホ/マ・ドンソク、ソン・ジヒョ、キム・ソンオ、キム・ミンジャ、他)「犯罪都市」「悪人伝」のⅯ・ドンソクが、誘拐された妻を追う男を演じた韓国ノワール・アクション娯楽作。★★★☆☆

2024/11/18(Mon) 12:29


  2024年 観た映画 10月

『すばらしき世界』(2021/日/西川美和/役所広司、仲野太賀、六角精児、キムラ緑子、梶芽衣子、他)
「ゆれる」「永い言い訳」の西川美和監督が役所広司と初タッグを組んだ人間ドラマ。原作は佐木隆三が実在の人物をモデルにした「身分帳」。時代は原作から35年後という設定だが、人生の大半を裏社会と刑務所で過ごした不器用で正義感が強くて、心優しくて少年の様な純粋で無邪気な三上(役所)の生きざまと世間とのギャップが細かく描かれ泣ける、泣ける。
★★★★☆

『ゆれる』(2006/日/西川美和/オダギリ・ジョー、香川照之、真木よう子、伊武雅刀、蟹江敬三、他)
人の心も世の中のちょっとした確執や偏見、ギャップ等に少なからず揺さぶられ生きている。再鑑賞。
★★★☆☆

『グラスホッパー』(2015/日/瀧本智行/生田斗真、浅野忠信、山田涼介、麻生久美子、石橋蓮司、他)
やっぱり脚本なのかなぁ、テンポも良くないし、つまらなかったなぁ。
★☆☆☆☆

『パーフェクト・ドライバー/成功率100%の女』(2022/韓/パク・デミン/パク・ソダム、ソン・セビォク、キム・ウィソン、他)
「パラサイト 半地下の家族」で半地下の家族の長女役を演じたパク・ソダムが、凄腕の運び屋を演じたカーアクション。少年役は「パラサイト」でパクが家庭教師をした子役というのも面白い。嫌味なく楽しめる。
★★★☆☆

『パラダイスの夕暮れ』(1986/フィンランド/アキ・カウリスマキ/マッティ・ペロンパー、カティ・オウティネン、エスコ・ニッカリ、ユッカ=ペッカ・パロ、他)
A・カウリスマキ全開。ペーソスが効いていて好きな作品。
★★★★☆

『関心領域』(2023/米、英、ポーランド/ジョナサン・クレイザー/クリスティアン・フリーデル、サンドラ・ヒュラー、他)
塀(壁)をひとつ隔てた天国と地獄の現実を淡々と描いた傑作。アウシュビッツの残虐なシーンは一切観せず、幸福な家族を中心とした構成と、黙々と上がる黒い煙、メタファーらしきモノクロ映像、音声、効果音(に関しては、ちょっと過剰気味。あえて無音の方がより想像力を駆り立てられたと思う。)で描いた闇が一段と恐怖心を煽った。Ⅿ・ハネケに通ずる部分がある。観て損はない作品。
★★★★☆

2024/10/20(Sun) 22:22


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