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…コラム…

  2010年 観た映画

 1月
「ファクトリー・ガール」(初)
アンディ・ウォーホルのミューズ。60年代ポップ・カルチャーのアイコン。ドラッグに蝕まれた末28歳でその生涯を閉じた”イーディ・セジウィック”の激しくも哀しい伝記映画。由緒ある名家・セジウィック家の令嬢として生まれたものの複雑な家庭環境に育った彼女は、常に心の空洞を埋めようと必死だったのだろう。
作品としては、特に印象に残らず。。。

 2月
「ガルシアの首」
決して妥協を許さず、おまけに過度の飲酒と麻薬常用の問題を抱えたペキンパー自身が、「戦争のはらわた」と並んで最後の最後まで編集権を握ることができた数少ない作品のひとつ。独特の撮影技法やリアルなバイオレンス描写は有名。
後半、ただひたすら破滅に向かうウォーレン・オーツの何とも云えぬ哀切さ。。。
ペキンパー自身を投影しているようにも思われる。好きな映画のひとつ。

「おとうと」(初)
山田洋次 監督作品を映画館で観たのは、確か30年位前に公開された「遥かなる山の呼び声」以来である。また、同監督の「幸せの黄色いハンカチ」が今度アメリカ版として、ウィリアム・ハート主演でリメイクされたという予告編をやっていた。切っても切れない家族の絆や人生の出会いや別れに加え、社会が抱える問題にも鋭いまなざしを向けている点はさすが。笑って泣かされた。

 3月
「海の沈黙」(初)
「サムライ」「いぬ」「仁義」など私の好きなフィルム・ノワールで知られる ジャン=ピエール・メルビル監督、
1947年の処女作。'41年、ドイツ占領下のフランス地方都市。1人の老人とその姪が暮らす家に、敵であるドイツ軍将校ヴェルナーが同居することになった。ヴェルナーは音楽家で、フランス文化に敬愛の思いを持ち、毎夜、その気持ちを老人たちに語るが、彼らは一切の沈黙をもって答える。セットを使わず、すべてロケ撮影、ほとんど主人公3人の演技でドラマが進行するというかなりの低予算で撮られた作品で、静かな中にもちょっとした目線、手の動きなどの演出にぐいぐい引き込まれた。撮影は「死刑台のエレベーター」「大人は判ってくれない」などヌーヴェル・ヴァーグを代表するカメラマンとなったアンリ・ドカ。この作品は私の人生で忘れられぬ作品のひとつになろう。
いやぁー、やっと観ることが出来、本当に嬉しい。岩波ホールさん、ありがとう!!

「彼が二度愛したS」(初)
シャーロット・ランプリングの存在感が凄い!映画としてはつまらなかった。

「ファム・ファタール」(初)
デ・パルマらしい美しい映像と見事なカメラ・ワークに惹かれ観ていると、”おゃ、おゃっ? 水槽の水が何で・・・あっ!そうかぁー!”など、所々に散りばめられた伏線をヒントにストーリーを追っていくと作品の魅力が倍増した。
とても楽しめた映画だけれど、あの運転手が何だか気の毒。。。

 4月
「ヨコハマ メリー」
戦後、東京、横須賀をへて横浜にやって来た孤高の娼婦、メリーさん。白塗りの厚化粧にアンティークのドレスに身を包み、街角に出没して横浜の風景の一部となっていたホームレスの老嬢メリーさん。1995年の初冬、人知れず姿を消した彼女の半生を追ったドキュメンタリー映画。公開当時の宣伝用チラシに写るメリーさんの姿を目の当たりにした私は何とも言えぬ強迫観念に囚われ、”これは観に行かんとアカン!!”と映画館に足を運んだ。
メリーさんはじめ証言された方々が映画の完成後に一人、また一人と世を去っており、忘却のかなたに消え去ることなく、こうして史実を残した功績は大きい。

「アフリカの光」
好きな映画。神代ワールドですな。この映画のシナリオを持っていたけれど何処かに行っちゃいました。。。残念。。。

「青春の蹉跌」
70年安保終焉の虚無感、青春の情熱、孤独、焦燥を描いた石川達三の同名ベストセラー小説を映画化。撮影時「何かないかぁ?何かないかぁ?」と口癖の神代監督にいろいろと体当たりで即興的に演ずるショーケンと桃井 かおりを斬新な演出も織り交ぜて巧みに描いた意欲作。「えんやーとっと、えんやーとっと、まつし〜ま〜あぁのー」が耳に残る。
アフレコが合ってなかろうが違うことを喋ろうが、そんなこと神さんには小さなことなんだなぁ。井上 尭之の音楽がまたイイ!


「もどり川」
大正ロマンチシズムを生きた、破滅型天才歌人・苑田岳葉と、その野望に身をまかせた女たちを描く。連城三紀彦の『戻り川心中』の映画化。破茶滅茶で、どうしようもない男をショーケンが演じると、えらい魅力的に見えるのは不思議。
何度も何度も観た、勿論、大好きな作品。

 5月
「007 慰めの報酬」(初)
おもしろかった。ジャンカルロ・ジャンニーニ演ずる”マティス”が死んじゃったのは残念。

 6月
「甘い生活」
高度経済成長下のイタリアの精神的不毛を見事に描いた映画。また、この作品以降、監督のフェリーニは首尾一貫したストーリーを追うというより、多くのエピソードの羅列というスタイルが特徴となっていく。ラストのエイのような怪魚は、文字どおり腐敗した社会、デカダンスの象徴ともとれる。
ゴシップ記者のパパラッツォがパパラッチの語源という話はあまりにも有名。

 7月
「バクダッド・カフェ」(ニュー・ディレクターズ・カット版)
押し付けがましくない癒し感というか、ふんわり感がいい。美しい映像とジュベッタ・スティールの唄う”コーリング・ユー”がいつまでも余韻を残す。好きな映画。

「フェイク・シティ ある男のルール」(初)
所々覚えてない程、退屈極まりない映画。

 8月
「狂いピエロ」
すべてが斬新!!カッコイイー!!さすがゴダール!!

「勝負をつけろ」
私の好きな暗黒小説作家、ジョゼ・ジョヴァンニの『破門僧』を原作に、彼自身と「穴」を遺作として死んだ監督ジャック・ベッケルの息子ジャン・ベッケルが共同脚色、ベッケルが監督した異色ギャング映画。
実際に15年間、刑務所に入獄していた経験がある ジョヴァンニの描く世界は実にリアリティー溢れている。

「フェイク」(初)
ちょっと長い。アル・パチーノは相変わらず演技が上手いですなぁ。

「セッソ・マッソ」(初)
セックスを巡るおバカな艶笑エピソード9話のオムニバス。ジャンカルロ・ジャンニーニには笑っちゃう!!

「山形スクリーム」(初)
ストーリーなどはさておき楽しかった。複数の映画のパロディ・オマージュが観られ、竹中直人の映画好きが判る。

「ニューオリンズ」(初)
ブルーズ、ジャズ好きな方はぜひ必見!劇場未公開なのが残念。最後の舞台にサッチモ、ビリー・ホリデイが出演していないのは、やはり当時の人種差別の壁があったからだろう。

 9月
「流されて」(初)
女流監督リナ・ウェルトミューラーの名を世界的に高めた問題作。リリアーナ・カバーニの「愛の嵐」もそうだが、女性監督の当然ながらの、ひと味違った感性に”なるほどなぁ”と思わされる事がある。

「キャデラック・レコード」(初)
とても感慨深いものがある。。。ブルーズは奥が深すぎる。。。

「蛇の卵」(初)
ベルイマン監督と言うと、どうも少し難しい芸術作品を創るイメージが強いが、この映画は社会派サスペンスに仕上がっていて充分楽しめた。タイトルの”蛇の卵”が何を暗示しているか語られるシーンはゾクッとするが、それは観てのお楽しみ。第一次世界大戦での大敗で希望を失ったドイツの暗くて重々しいデカダン的空気感を人体実験やヴァイオレンスを交えて描かれる。
1920年代のベルリンの街並みがオールセットというのも贅沢ですなぁ。
観て損はない作品。

10月
「座頭市 鉄火旅」
シリーズ第15作目作品。撮影は「兵隊やくざ大脱走」の武田千吉郎。東野栄治郎演じる鍛冶屋の仙吉が泣かせる。

11月
「欲望」(’66)
かなり解かりずらい作品だが、スタイリッシュな映像で描いた不条理劇と思えば楽しめる。♪そこに〜は ただ〜風が吹いているだけ〜♪的な宙に浮いたようなラストも「情事」「さすらいの二人」「ある女の存在証明」など、謎を残して結末を迎えるストーリーは監督ミケランジェロ・アントニオーニの得意とするところ。
初々しさの残るジェーン・バーキンや美し過ぎるヴァネッサ・レッドグローブ、サラ・マイルズも新鮮。加えて、ジェフ・ベックとジミー・ペイジが競演しているヤードバーズのライヴ映像は貴重。ポスターもカッコイイ!!

「ホワイトアウト」(初、2009年 ドミニク・セナ監督作品)
寒い〜、寒い〜、脚本も寒い!!

「恋愛適齢期」
素晴らしい作品。ジャック・ニコルスンのまぁチャーミングなこと!!「追憶」「カッコーの巣の上で」のオマージュ?と思わせるシーンも有りでつい笑っちゃった。

「トゥルーマン・ショー」(初)
いろいろな意味でとても怖い映画だと思う。

「キャッチボール屋」(初)
キャッチボール屋とは、「一、10分百円でチャッチボールの相手をします。一、のぼりと看板がめじるし。一、忘れられない思いや悩み、受けとめます。」結構こういう映画も好きなんです。

12月
「地下室のメロディー」
1963年、仏、アンリ・ヴェルヌイユ監督作品、私の好きなノワール映画。貫禄充分の老ギャング、ジャン・ギャバンの圧倒的存在感と、どんなに着飾っても育ちの悪さが滲み出てしまう(失礼)若いアラン・ドロン。カジノの現金強奪に見事成功したかに見えたが。。。ラスト15分は最後の最後まで緊張感いっぱいの演出で冷や汗もの。シーンの繋ぎに監督のセンスが光る。ミシェル・マーニュのモダンジャズもおしゃれ。

「グラン・トリノ」
観終わった後にジーンときた。妻に先立たれ、教会にも背を向け、離れて暮らす息子夫婦からは偏屈な頑固者と敬遠される主人公のウォルト・コワルスキー。彼の楽しみは、星条旗を掲げた玄関脇のテラスでビールを飲み、自らステアリング・コラムを取り付けた1972年製のヴィンテージカー「グラン・トリノ」を眺めること。そして彼の傍にいるのは1匹のラブラドール犬。そんな彼が生き方を探しあがねている隣家のベトナム人の少年タオに、アウトローとしてより、人間としてどう生きるかを自らの命と引き換えに示す。
この現在のウォルト・コワルスキーと1992年イーストウッドが監督しアカデミー作品賞を受賞した、西部開拓時代を舞台にした「許されざる者」のウィリアム・マニー。どちらも過去の己を許せないと苦悶し続け、壮絶な決着を自らに課す姿は時代を超えて重なる。
「ダーティー・ハリー」をはじめ、彼が演じる役は常に己の哲学で生きるアウトローの一匹狼、世間から外れた所に生きる孤独な男。己の身は己の手で落とし前をつけてきた。そして今回は人間としてどう落とし前をつけるかを示したように思った。

2010/12/28(Tue) 16:29


  2009年 観た映画

 1月
「ブレードランナー 最終版」 
年明け初の映画にふさわしい感動の”ブレラン”4作品の中で最も好きなカット版。 ”二つでじゅうぶんですよ”の”何”がじゅうぶんなのか?ご存知の方はブレラン・マニア。ルトガー・ハウアー演じるロイの最後の台詞の一節は脚本にはない彼の独白らしいが、この作品の全てを言い表しているようにも思え感慨深い。当然好きな映画ベスト20に入る作品。 

「パリ、テキサス」 
何処を切り取っても見応え充分なロード・ムービー。今まで何回も観ている作品。サム・シェパードの原作もヴェンダースの演出もライ・クーダーの乾いたスライドの音色もすべて素晴らしい!!好きな映画ベスト10に入る作品。

 2月
「ベリッシマ」 
脚本家、チェーザレ・ザヴァッティーニの庶民の描き方が卓越しているのは確かであるが、貴族の血を継ぐヴィスコンティが一般庶民の日常をもこんな風に作品にしてしまうところがおもしろい。

「ピクニック」 
なんとも美しい映画!!スタッフをはじめ役者陣も贅沢。絶対に観て損のない作品!!(1936年度 ジャン・ルノワール監督作品)
     
「めがね」(初)
ここは与論島かな? めちゃくちゃ”たそがれ”に行ってみたいと思った私は、疲れ気味?!

 3月
「かくも長き不在」 
アンチロマンの作家マルグリッド・ディラスのオリジナル・シナリオが秀逸。戦争の恐怖と戦後の傷跡を見事に描いた心に残る作品。劇中に使われるコラ・ヴォケールで有名な「三つの小さな音符」も美しいシャンソンで、何かの折にこの曲を耳にする度、二人が踊るシーンが想い出され胸が締め付けられる。切ないけれどとても美しい映画。

「ブコウスキー:オールド・パンク」 
愛すべき、正真正銘の”憎みきれない ろくでなし”様。少なからずもブコウキーに影響を受けていない男はいないんじゃないかなぁ。めちゃくちゃだけど、めちゃくちゃ正直で繊細で、めちゃくちゃカッコイイんだな!!

「水の中のナイフ」 
ロマン・ポランスキーが1962年29歳の時に撮った、彼の長編映画デビュー作。登場人物も3人のみで、決して派手な作品ではないが、それぞれの心理描写がちょっとした仕草や台詞に観られ、ぐんぐん引き込まれる。”退屈だった”という方も多いが私は好きな映画のひとつ。モノクロ映像の陰影が美しい。「影」「地下水道」の撮影で知られる イェジー・リプマンの功績も大きい。

 4月
「小三治」(初)
ちょっとした言動のひとつひとつが名言であり、人間 小三治師匠の人となりの温かさ、厳しさが伝わってくる素晴らしいドキュメンタリー映画。見逃す手はない!!

 5月
「ノー・カントリー」(初)
まったく無駄のない脚本に演出。非常に緊迫感のある映像と見終わった後の鈍ーい余韻。充分に楽しめる作品。原題
「NO COUNTRY FOR OLD MEN」 直訳すると「老人の住む国にあらず」だが、もはや(アメリカだけでなく、)何処の国で
も”老人”だけではなく老若男女すべてに日常におけるどうしようもない”不条理”は必ず起こりうるし、それをいかに素直に受け入れられるか。。。
信号無視の車に激突される殺し屋シガーを通し、”ちょっと先は何が起きるか判らないぜ”とコーエン兄弟は醒めた目でただ言いたかったのかも知れない。

「東京日和」 
うーん、実に幻想的純愛ミステリー映画ですなぁ。謎解きの伏線が台詞やカット随所に織り込まれて、回を重ねるごとに”なーるほど、そうかぁ〜”と、思わず観てしまう作品。映画の中での現在進行形は、松 たかこ演じる”水谷”と逢っている時だけ?!柳川=白秋=思ひ出。または 柳川=福永=廃市=死。考えすぎかなぁ。。。
何とはなしに好きな映画なことは確か。

「ニューオーリンズ・トライアル」(初)
日本でもじきに裁判員制度が始まるが、裏の予備知識として参考になった。作品としてもおもしろかった。

「殺しのテクニック」 
ノワール物は昔から大好きだが、その中でも好きな作品のひとつ。「ガルシアの首」のロバート・ウェッバーが渋いのなんの。清潔感いっぱいのフランコ・ネロも斬新。イタリアン・ノワールも決して侮れません。

「黄金の七人」 
初めて観たのはかれこれ約40年前、確か荻 昌宏さんが解説をしていた”月曜ロードショー”だったと思う。ポップでオシャレで楽しくて、そして軽快なシャバダヴァダ♪音楽!!今だもって最高の娯楽作品!!
名脇役のガストーネ・モスキンも若い、若い!

「続・黄金の七人 レインボー作戦」 
ハイ、最高です!! 細かい所を申すのは野暮な話。ロッサナ・ポデスタ素敵!!

「題名のない子守唄」(初)
現在社会が抱える闇の部分(本作は特に移民の厳しい実情 )を一人の女性を通して描いた衝撃作。イレーナもテアも力強く生きていってほしい。

 6月
「エンゼルハート」
1987年、忘れもしない思い出深い日に試写会で観た作品。以来何度か観ているが、確か僅かに6シーンしか出てこないサイファー役のデ・ニーロの存在感は凄い!!

 7月
「少年」
久しぶりに観て”改めて、大島 渚は凄い!”と思った。制作年から40年経った現在でも通ずる、普遍性を持った作品。彼の作品の中では好きな映画のひとつ。

「ハーダー・ゼイ・カム」
むかーし、むかし、約30年前、下北沢の一番街に有ったレゲエの飲み屋で観た大好きな映画。確かジャマイカ初の劇場用に撮られた映画で、予算もなくベタなストーリーの作品ではあるが、妙にリアルで説得力があり、レゲエ好き、ジャマイカ好き、ラスタファリに興味のある奴は絶対に観ておかないといけない映画だと思う。
映画を観る前にサウンド・トラック盤も買って、本当に擦り切れる位までよく聴いていた。
勿論、現在も B・マーリー然り、ルーツ・レゲエは大好き!!

「殺人に関する短いフィルム」
アンジェイ・ワイダ同様、ポーランド社会の闇の部分、そこに生きる人々の苦悩、孤独、葛藤などをテーマに鋭く指摘したドキュメンタリー映画を数多く撮ってきた監督だけあって、苦悶する人間の内部を実に見事に、それでいて冷静に描いている。緑のフィルターを装着し撮影した技法も効果的。

「愛に関する短いフィルム」(初)
”身を切るような孤独を知っている者だけが、人生の美しさを真に享受することができる。”〜クシュシュトフ・ケシェロフスキ〜 ハイ、そのとおりです。

「ふたりのベロニカ」(初)
ちょっと分かりずらい展開だけど、絵はきれい。

8月
「歩く、人」(初) 
雪深い冬の北海道を舞台に、2年前に妻をがんで亡くした造り酒屋を営む初老の父親と、その家族の絆や苦悩、葛藤を見事に描いた作品。今回、孤独感と頑固さをペーソスを交えて演じた”緒方 拳”さん。本当に日本を代表する素晴らしい役者さんでした。タイトルの題字、途中挿入される自作の川柳も緒方さんの直筆で、この方の字がまたいい。
骨太で、不器用で、優しく、繊細で、艶があって、カッコよく。。。つくづく惜しい役者を亡くしました。大好きでした。ご冥福をお祈りいたします。

9月
「ひまわり」
戦争に巻き込まれ、狂わされてしまった不幸で不条理な運命。ジョバンナとアンントニオも勿論そうだが、私はロシア人の女性もとっても可哀そうに思えてならない。マンシーニの音楽が哀切さを増す。
デ・シーカはやっぱり「自転車泥棒」かな。

「ウォンテッド」(初)
こりゃーまた凄いアクション・シーンがいっぱい!!(ほんと、笑えます!!)

「イースタン・プロミス」(初)
”イースタン・プロミス”とは、「英国における東欧組織による人身売買契約」を指す言葉だそうだ。最近、社会の闇の部分を扱った作品をよく観ているが、この映画はロンドンの裏世界にはびこるロシアン・マフィアが絡むノワール物。ストーリーが中途半端で散漫な気もするが、無駄に長尺になるよりは良いのかな。
ヴィゴ・モーテンセン、ヴァンサン・カッセルがリアリティーがあって印象深い。

10月
「リプリー」(初)
「太陽がいっぱい」のリメイクだそうだが、まったくの別物に感じた。オリジナル作品よりも、よりホモ・セクシャルを前面に出した点や主人公のあまりにも唐突な行き当たりばったりの行動はどうかなぁ〜と思った。
しかも、あのイタリア警察の無能ぶりには笑ってしまう。あれだけ遊び人のディッキーだから、彼を知っている人間も多いだろうし、入国管理局や米国から学生時代の写真を入手し裏を取れば一発で気づくはず。
救いは美しいイタリアの景色。行ってみたくなる。

11月
「88ミニッツ」(初)
まったくつまらなかった。。。アル・パチーノは大好きな役者だからこそ作品(脚本)を選んでいただきたい。デボラ・カーラ・アンガーが出てて、懐かしいなぁと思った。

「4ヶ月、3週と2日」 (初)
”1987年 チャウシェスクによる独裁政権下のルーマニア。法律で禁じられたことを実行した勇気あるヒロインの物語”とは、この作品の紹介コピー。映画が始まって20分位からドキュメントを観ている感じで、どんどん引き込まれていった。当時、この国は人間もIDカードで管理されていたなんて同じヨーロッパでも東と西との格差に驚いた。

「アイム・ノット・ゼア」(初)
B・ディランの大ファンでありながら、公開当時に惜しくも観損じてしまった映画。6人の俳優による7人のB・ディランがオムニバス形式でなく同時に重なりあって進行するという、ちょっと難解(?)
と言うか一風変わった作品。彼をよく知る(知っているつもり!?の)方なら”あぁ、なるほど。おぉ、そうくるか〜。と、たくさんの思い当たる出来事がモチーフになっているモンタージュは謎解きのように楽しめる。K・ブランシェットのディランをはじめ、A・ギンズバーグや当時のマネージャーの A・グロスマンなど、そっくり過ぎて驚いた。
”The Times They Are A-Changin'/時代は変る”〜B・ディランは”時代を変えて”きたアーティストである〜。これからも色褪せることなく、転がり続けて生きていっていただきたい。

「髪結いの亭主」
出逢った瞬間から必ず別れは来る。ましてや”かぐや姫”というお伽噺でさえ悲しい別れがある。時計の針が前に進むと時間になり、後ろに進むと思い出になる。。。理想と現実、表裏一体の中で生かされている私達。
好きな映画、ベスト20に入る作品。ところで、アントワーヌのあのアラブ踊りは何処で覚えたんだろう?

12月
「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」
また観てしまった。最高です!!

2010/01/01(Fri) 23:19


  2008年 観た映画

 1月
「夜叉」
雪深い冬景色の中に静かに佇む男、高倉 健。素直にカッコイイ。たけしさんがいい味を出している。

「バーティカル・リミット」(初)
何でダイナマイトじゃなくてニトロなの?とか、矛盾の多い展開だが、どんな極限状況においても冷静に思いやりのある行動を取れるのは勇気のいる事だ。ふと、2006年、アーミッシュの学校で起きた事件を思い出した。。。

「25時」(初)
何だか不思議な雰囲気のある映画。主人公の彼女は凄く美しい。E・ノートンは相変わらずのなで肩。終わりちかく、父が車中で語るように時が過ぎれば、ただの苦かりし若き日の思い出話?!

「リプレイスメント」(初)
まぁ、ボケーッとただ楽しむ分にはいいんでしょう。J・ハックマンが出ているので観た。

「ディック&ジェーン」(初)
この手のジム・キャリーはもう飽きた。冷酷非道の悪役を見てみたい。

「ソウ 3」(初)
相変わらず痛い。まして今回はたいそうな設備に装置、グロさが強調されている感がある。「1」が
良かっただけに今一度、初心に返っていただきたい。

「チャイナタウン」 
私のベスト20に入る作品。ラストは確かに救いようが無いのだが、当時のポランスキーの心情を思うと当然の結末であろう。高校生の時に初めて観て、”イージー・ライダー”とは違うニコルソンの魅力に圧倒された。彼がかけていた淵なしの丸いサングラスを捜しまくった記憶が懐かしい。

「フィッツカラルド」 
W・ヘルツォーク、K・キンスキーは狂気の沙汰を当たり前のように生きている!?敬服です。

「暗殺の森」 
当然ベスト10に入る作品。時代の変動とともに、信じていた価値観は変わっていくものなのか。。。

「フェリーニ 大いなる嘘つき」(初)
”芸術にとって危険なのは、完全なる自由だ”と言ったフェリーニの言葉が印象に残る。

「獅子座」(初)
おかしくも痒くもない作品だけれども、妙に印象に残る映画。

 2月
「恐怖の報酬」
ハラハラ、ドキドキ。一瞬の油断が命取りになっちまう。シャルル・ヴァネル演ずるジョーが哀しい。

「亀は以外と速く泳ぐ」(初)
フワ〜っと観るにはちょうどいい感じ。おもしろかった。

「白いドレスの女」
公開当時、招待券で観に行った作品。結構サスペンス物は好き。K・ターナーが素敵。

「バッド・エデュケーション」(初)
私には何だか疲れる映画だった。    

 3月
「007 カジノ・ロワイヤル」(初)
全体的に凄く楽しめる作品。アクション・シーンも手に汗を握る出来栄え。だけ ど、麻雀以外のギャンブルに興味のない私にはカジノのシーンは間延びして退屈。

「トレインスポッティング」
つい先日、40度(自己最高)の熱が出た時に見た悪夢は、彼らの見る幻覚に近いものがあるのだろう。ストーリー的には何てことのない作品だけど、テンポは凄くいい。

「野獣死すべし」
ハッキリ言って、昔から私は松田 優作ファンではない。”ブラック・レイン”は鬼気迫る迫力があり
初めて”凄い役者だなぁ”と思ったけれど、他の作品はどれをとっても誰かの”マネ”でしかないように思えていた。例えば、原田 芳雄さん、萩原 健一さん、海外ではR・デニーロだったり。。。
優作さんファンには申し訳ないが、正直そう思っていた。もっと彼自身いいモノを生まれながらに持っているのだろうが、それを上手く生かすことが出来ずにいる性を常に感じていた。非常に残念だが。この作品は歯を抜いたり減量をしたりと役作りにはそうとう入れ込んだらしいが、(洞窟の中で犯される役のマリヤさんとは知り合いで、優作さんの役作りの話を伺った)尊敬する役者の断片をつなぎ合わせている様にしか見えない。唯一、室田 日出男さん相手に”リップヴァン・ウィンクル”の話をするシーンは引き込まれる。

 4月
「ボディ」(初)
マドンナの身体を張った演技にはビックリしたが、正直つまらぬ作品だった。

「めんどりの肉」(初)
ジュリアン・デュヴィヴィエ版、”郵便配達は二度ベルを鳴らす”。かなり淡白だが。

「ゲーム」
えーっ、そこまでやるかー?!という凝りに凝ったありえぬゲーム内容だが、細部に行き届いた脚本に脱帽。

「ナイロビの蜂」(初)
全てが中途半端な映画。ドキュメンタリーにもサスペンスにもなっていない、只の凡作。

「世界最速のインディアン」(初)
人柄もあるのだろうが、こういう生き様が出来る人間は素晴らしくカッコイイ!実に”Out and Out”(筋金入り)ですな。

 5月
「さくらん」(初)
色彩的な”赤”と椎名 林檎の音楽だけが印象に残った。

「独立愚連隊」
恐るべし 岡本 喜八。役者陣も素晴らしい!

「e s」(初)
例えば10日間で「5日間づつ、看守役と囚人役を交代してもらう」という決まりでやっても良かったのではないかとも思った。権力対個人、管理者対被管理者、いつの時代においても考えさせられるテーマである。

 6月
「カジノ」
M・スコセッシ、R・デニーロ、J・ペシのコンビは大好きなんだけど、今回はナレーションが多過ぎ。

「300」(初)
よく知らないが、格闘もののゲームってこんな感じなんだろうなぁ。

「ザ・コード」(初)
いつの時代、何処の国でも”しがらみの世界”(掟)の中でしか生きられぬ人間が居る。兄弟ゲンカから始まり親子、友人、組織、そして国と相手が大きくなって戦争につながるのだろう。

「いとこのビニー」(初)
とても楽しくて爽快な映画。手品師のようなスーツで裁判所に現れたビニーには爆笑!

 7月
「アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生」(初)
”素晴らしい”の一言!! またすぐにでも観てみたい。

「あるいは裏切りという名の犬」(初)
無駄をそぎ落とした脚本、演出、芝居。そこに漂う静かな重厚感。。。正直おもしろかったが、もう一歩踏み込んだ悲壮感があれば新たな仏ノワールだったのに、うーん、もったいない。

「ウルフ」
本当は、切なくて純粋な恋の映画でしょう。

「アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶」
最初に観たのは彼の写真展で。世に名を残す写真家というのは、光と時間が交差する一瞬のシャッター・チャンスに自然と遭遇しちゃうものなのか。それとも自分自身で手繰り寄せる才能を持ち合わせているものなのか。。。写真はつくづく奥が深いと思う。 

 8月
「ディパーテッド」(初)
ラスト2〜30分は急ぎ過ぎ、というか中途半端。しかし全体的に観ごたえはあった。ディカプリオって今まで軟弱なイメージだったが少し見直した。怪優ニコルソンはアドリヴ連発!?

「マレーナ」
美人は罪? 戦時中の閉ざされた状況下では、人間の本性がより露骨に出るのだろう。マフィアを生んだシチリア島の男達よ、もっとしっかりせい!! 

「太陽」
改めて観ると、不思議な空気感と緊張感漂う独特の作品である。少し怖い気がした。

「レッド、ホワイト&ブルース」
ブルーズは原点でありシンプルで、そしてとてつもなく奥が深い。

 9月
「マグダレンの祈り」(初)
こういった施設が1996年まで存在していたという事実だけでも愕然。不条理と言ってしまえばそれまでだが、現在もこういう人権無視の世界は必ず残っているのだろう。やたら重いシーンが多い中、神父が叫びながら服を剥ぎ捨て素っ裸で走ってゆくシーンは笑え、救われた。

「ボーン・アイデンティティー」
いや、素直に面白かった。

 10月
「スターリングラード」
どんなドラマがあるにせよ、確実に戦争は悲惨である。緊張感漂う作品。

「座頭市 兇状旅」
役者としても私生活でも、勝新のような豪快かつチャーミングな方は少なくなったなぁ。

「座頭市 喧嘩旅」
なつかしい役者さんの顔ぶれだけでも楽しめた。画面全体の色調が素晴らしい。

「靖国 YASUKUNI」(初)
一時は上映禁止になったりと、ずーっと観る機会を狙っていた作品。お上や一部の人達が否定的に申す程、一方的に偏った押し付けがましい中味ではなかった。ただ、何を言わんとしているのか監督の思想が全く解らない分、中途半端さだけが残った。

「黄昏のチャイナタウン」
大好きな映画の続編でJ・ニコルソンが監督、主演。映像も雰囲気も役者もみんないいんだけれど、前作が素晴らしかっただけに今ひとつ物足りない気がする。続編で前作を上回るのは「ゴッド・ファーザー PART U」ぐらいか。

 11月
「マルホランド・ドライブ」
”何でそうなるの?”と言われても説明出来ないが、不思議に引き込まれる作品。

「 ヒッチャー U」
85年のオリジナル版に比べると、ただただ薄っぺらい感じ。R・ハウアーが凄すぎたせいだろう。
 
「グッド・シェパー ド」(初)
この時代の米ソ冷戦期の時代背景もある程度の知識がないと解かりづらいように思う。時間軸の入れ替わりや登場人物の多さにも最初戸惑ったものだが、眼鏡の違いを発見してからは結構楽しめた。1カット、1カット凄く丁寧に撮っているのは解かるが、いくらかカット割りし過ぎに思えるシーンもいくつか。それにしても息子以外、みんな歳を取らないんだなぁ、これが!?

「死刑台のエレベーター」
うーっ、ついついまた観てしまった。やられたーっ!素晴らしい!!

「スリ(掏摸)」
久ーしぶりに観て堪能させてもらった。J・L・ゴダールが「ドストエフスキーがロシアの本であるよにロベール・ブレッソンはフランスの映画である。」と言ったのがよく解かる。ここまで音楽のない映画も珍しい。確か W・アレンの「インテリア」も全くの音楽無しだったような。。。

「ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム」(初) 
何も言うことはございません。至福の3時間20分!! 

 12月
「善き人のためのソナタ」(初)
自由に生きることが権力により犠牲にされてしまう悲劇と、目に見えぬ規制と抑圧の実態が淡々と、そして静かに描かれている。最後のシーンでヴィースラー元大尉が静かに微笑んだ瞬間に涙が溢れ出てきた。

「アメリカの影」
無名な役者の起用や即興演出のせいか、独特の臨場感や生々しさがみなぎっている雰囲気が印象的。タイトルでも解るように”人種差別”を扱った作品ではあるが、それを前面に出していないところが心憎い。J・カサヴェテスは好きな監督の一人。

「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」(初)
いくつになってもカッコヨク転がり続ける彼等には、いつも感動と勇気を与えてもらっている。上映30数分前に行くと、すでに68番という整理券を渡されての入場に彼等の今だ衰えぬ人気にも当然ながらも敬服しかり。ストーンズ様、スコセッシ監督、そしてスタッフの皆様、謝謝!!  

2009/01/02(Fri) 21:21


  2007年 観た映画

 1月
「Mr.&Mrs.スミス」(初) 
お正月に観て楽しかった。

「ポワゾン」 
A・ジョリーの妖しい魅力が素敵。

「あげまん」 
いや、楽しかった。

「タンポポ」 
和製版「シェーン」豪華メンバーでした。

「ライフ・イズ・ビューティフル」 
何度観ても泣いてしまう。

「旅芸人の記録」 
時間のある時でしか観られない。好きな映画のひとつ。

「ギャング・オブ・ニューヨーク」(初) 
期待はずれだった。役者のせいかなぁ。

「シン・シティー」(初) 
何げなく観始めたら妙に惹き込まれた。

「アメリカの友人」 
D・ホッパー、B・ガンツ最高!好きな映画のひとつ。

「父、帰る」(初) 
シンプルで・謎で・・・儚くて・とても叙情的な瑞々しい映像・・・。忘れられない一本。

「ダイヤモンド・イン・パラダイス」(初) 
こんなもんでしょう。

「時計じかけのオレンジ」 
今観ても相変わらず斬新。凄い!

「ブルー・ベルベット」 
体調のいい時でなきゃー、D・リンチはなかなか観られない。D・ホッパーは大好き。

「カスパー・ハウザーの謎」 
私のベスト20に入る映画。W・ヘルツォークは心から敬愛します。

 2月
「プライベート・ライアン」(初)
戦闘シーンが凄まじかった。     

「穴」(初) 
あんな女性が居たら本当に怖い。(J・ベッケル監督作品ではない。)

「死刑台のエレベーター」 
弱冠25歳, R・マルのデビュー作。やられた〜!好きな映画のひとつ。

「ドミノ」(初) 
ああいう仕事をしていると、そりゃぁー早死にしちゃうよ。

「少女 ムシェット」(初) 
観終わった後ジーンときた。出演者が全員素人のせいか、妙にリアル。

「若者のすべて」 
初めて観たのは上京したての頃で、凄く感銘を受けた作品。昔からネオリアリズム映画は大好き。

「ノスフェラトゥ」 
怪優 K・キンスキーのただならぬ妖気。独特の青みがかった映像は何度観ても美しい。

「ファイナル・カット」(初) 
自分の記憶や思ひ出を第三者に編集、修正されるなんてまっぴらだな。

「模倣犯」(初) 
つまらなかった。

「ションヤンの酒屋」(初) 
強い意志と、しっかりとした信念を持った女性だが、薄幸な運命には逆らえない・・。

「キリング・フィールド」 
数年前、ハイン・S・ニョールが射殺された記事を新聞で見た時、”イマジン”が頭に流れてきた記憶が甦った。
 
 3月
「蟻の兵隊」(初) 
やっと観られた。ドラマには終わりがあるが、人生には終わりがない。「日本鬼子」同様、彼達の戦いはまだ続く。

「バーバー」 
内容はとても切ない話だが、映像はクールでオシャレ。

「聖なる酔っぱらいの伝説」 
最後の一節「神よ 全ての酔っ払いに、美しい死を与え給え」が印象的。好きな映画。

「ライトスタッフ」 
観る度、感動と勇気を与えられる。実生活も含めてS・シェパードは尊敬する一人。

「コーヒー&シガレッツ」 
ちょっとした会話のズレとズラシに生じる間が、何とも言えずニソッと笑ってしまう。

「ソウ 2」(初) 
観てて痛い、痛い、めちゃくちゃ痛い〜!!けど、心理描写は前作の方が上。

「大人は判ってくれない」 
トリュフォーの自伝的映画。育った環境を活かすも無駄にするも本人次第。ラストシーンは印象的。好きな映画。

「突然 炎のごとく」 
おもしろかった。観る年代によって随分感じ方が違うんだろうなぁ。

 4月
「何がジェーンに起こったか?」 
初めて観たのは小学校低学年で、ドラキュラ、狼男に次いでB・デイヴィスがとっても怖くなった。

「太陽」(初) 
どこまで真実かどうか判らないが、とてもチャーミングな方に見えた。それにしても孤独感たるや凄まじいものなんだろうなぁ。

「ザ・ドライバー」 
めちゃくちゃ好きな映画。R・オニール、I・アジャーニ、ほんとに笑いません。

「フリック・ストーリー」 
これまた好きな映画。A・ドロン、J・L・トランティニアンの抑えた演技は秀逸。

「仕立て屋の恋」 
純粋なのか変態なのか。幸福なのか残酷なのか。人生は紙一重なんだなぁ、きっと。

「イントゥ・ザ・ブルー」 (初) 
凡作としか言いようが無い。以上!!

「佐賀のがばいばあちゃん」(初)
良き時代。ばあちゃんの一言、一言が名語録のようである。

 5月
「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」 
内容はともかく、当時プロモーションの為に来日したM・チミノ監督とJ・ローンに会わせて頂いた記憶がある。「この人があの、”ディア・ハンター”を撮った人やぁー」とめちゃくちゃ感激したものだった。

「レッド・ドラゴン」(初) 
うーん、はっきり言ってつまらなかった。E・ノートンはどうも好きになれない。

「ディア・ハンター」 
初めて映画館で観た時、ショックのあまり暫く立つことが出来ず、ボーッとしていたら次の回が始まりまた観てしまった。少し間延びはあるが、静と動を上手く描いている。最後で楽しかった頃の皆の停止するショットは泣ける。”カバティーナ”のメロディーもいい。心に残る好きな映画のひとつ。

「無防備都市」 
ネオリアリズモの原点的作品。この映画を観ずしてイタリア映画は語れまい。すばらしい映画!

「黒衣の花嫁」(初) 
ストーリーにかなり無理がある。J・モローってこんな口元だったっけなぁ?

「戦火のかなた」
戦争の悲惨さを鋭く見つめた映画であり、「無防備都市」同様、普遍性を持った作品。

 6月
「パイレーツ・オブ・カリビアン・デッドマンズ・チェスト」(初)
支離滅裂な物語展開には驚くばかり。

「コーチ・カーター」(初)
ありきたりな青春学園ものかと思っていたが、政治的なテーマを描いた実に良質な作品。これ見よがしな演出もなく、そこがまた良かった。

「田園に死す」 
時々、何がなしに無償に観たくなる映画。

「3−4×10月」
無駄な台詞を排除した何とも言えぬ”間”が絶妙で、暴力の対極にある笑いも上手く取り入れている。北野 武作品の中で「ソナチネ」の次に好きな映画。

 7月
「ソナチネ」 
武さんは常にもの事を客観的に観られる方なんだなぁとつくづく思った。でなければ、あそこまで無駄を削ぎ落とした脚本は書けないと思う。仲間と戯れ、はしゃいでいても一度乗った”破滅”行きのトロッコは止められない。表情の無い私の好きな役者、ビリー・ドラゴをいつか起用してほしいものだ。
  
「カオス・シチリア物語」 
ノーベル賞作家 ピランデッロの短編を元にした、シチリア島寓話のオムニバス。とても叙情的な作品。好きな映画のひとつ。

「書を捨てよ 町へ出よう」 
シュールです。寺山ワールドは賛否両論、極端に分かれるでしょう。

「”エロ事師たち”より人類学入門」 
小沢 昭一の飄々とした存在感は凄い。園 佳也子、懐かしーい。

「復讐するは我にあり」
”刑事っさん、外はどかーんと冷えとるじゃろね”ジャジャーン!何度も観ている映画。

 8月
「箪笥」(初) 
友人に薦められ観たが、”どんなに怖いのかなぁ?”と想像していたのと反して、とっても哀しい物語だった。前半きれいなカットがたくさん有った。

「ある子供」(初) 
ドキュメンタリーを観ているような妙な説得力を持った作品。主人公の青年(中身は子供)もあそこまで破天荒だと哀れ。だけど、こういう奴って実際に居るんだよなぁ。

「リディック」(初) 
内容はさておき、あそこまで強靭で不死身の肉体を持っていたら、さぞ楽しいだろうなぁ。

「ジターノ」(初) 
ホアキン・コルテスがカホンを叩くシーン以外、印象に残っていない。

 9月
「サン・ロレンツォの夜」 
タヴィアーニ兄弟の作品はどれもいい!

「美しい夜、残酷な朝」(初)
美とカニバリズムを絡めた展開は理解出来なくは無いが、うー、だけど後味が悪い!

「かもめ食堂」 
”やりたくないことは、やらないだけです。”その通り。こういう風に生きられれば最高やね!

10月
「リリア 4−ever」(初) 
今も実際に起こっている話。とても辛い作品だが、ぜひ観てほしい傑作。

「バンディッツ」(初)
すべてが中途半端な映画。(カーチャ・フォン・ガルニエ監督作品)

「山の郵便配達」
子供の頃、父と私と拾って飼っていた犬とで、近くの山の奥深くまで散歩に行ったのを観る度に想いだす。淡々として静かな中にも感動を覚える作品。

「父/パードレ・パドローネ」
主人公のカヴィーノが才能を発揮し成功するきっかけを作ったのも、結果的には父?!それはさておき、あの母親の笑い方は何とかならないの?

「激突」 
ハイ、怖いですねー。ハラハラハラハラ、ドキドキドキドキしますねぇ。最後までトラックの運転手さん、顔出しませんねー。まぁ、怖いこと、怖いこと。これは1971年 スピルバーグ監督 25歳の時の作品ですねー。あの人、やっぱり若い頃から才能あったんですねー。ハイ、時間きましたか、サイナラ×3。

「ショー・ミー・ラブ」(初) 
テンポが良くてシンプルで、ストレートで純粋な映画。

11月
「M:i:V」(初)
いやぁー楽しかった。

「シティヒート」(初)
当時としては夢のような共演なんだろうが、中味は大したことのない映画だった。

「エヴァ」(初)
ベルイマン脚本の中では割りと解りやすい作品。地味だけれど、こういう作品は印象に残る。

12月
「ファントマ ミサイル作戦」 
いやぁー懐かしい!! ルイ・ド・フュネスは大好きな役者。余談だが、店に居らっしゃる フランチェスコさんとそっくり!?

「ファントマ 電光石化」
単純明快なストーリー、そんなアホなーな展開、見え見えの合成画面。それでもええねん。ルイ・ド・フュネスが大笑いさせてくれるんです。シリーズ中一番好きな作品。

「ファントマ 危機脱出」 
これまた楽しませていただいた。

2008/01/10(Thu) 15:41


  ジャズとブルースのライブが人気のおとなのバー

狛江市が発行している、生活情報誌「Monthly わっこ」に当店が紹介されました。
http://www.city.komae.tokyo.jp/index.cfm/36,11892,c,html/11892/37-1-2.pdf
我ながらとても光栄なことなので、内容を掲載しておきます。

”ジャズとブルースのライブが人気のおとなのバー”
市役所前のビル地下にある「add 9th」は、ジャズとブルースとライブ演奏が売り物のバー。開店以来、毎週金曜と土曜日にライブ演奏を開いている。
 約30uの客室に小さなステージとピアノがあり、棚にはジャズ、ブルース、ソウルなどのCDとレコード約1,200枚が天井までびっしり並び、ファンにはたまらない雰囲気。
 オーナーの古角 謙弥さん(写真上)は「いくつになっても遊び心を忘れない、おとなの不良が集う店」がモットーで、常連にも初めての客にもへだてのないサービスを心がけており、ボトルキープをしないのも特徴。
カウンター奥の棚には、バーボン、ウィスキー、ジン、ラム、ウォッカ、テキーラなど世界の酒が並ぶ。
カクテル(750円から)の種類も多く、好みのものを作ってくれるので、それを楽しみに訪れる女性も多い。ピザやジャンバラヤ、各種サラダなど軽食もある。
週末のライブ演奏は、午後8時からでチャージ料は1,500円から(ドリンク別)。夫婦や友人連れなどが、小さなライブハウスならではの演奏者と客が一体となった熱気を味わう。
出演者は、狛江バンドフェスティバルの仕掛け人のひとりでギタリストでもある古角さんが、プロに出演を依頼するほか、菊池 りかさん率いる「Lica Band」(写真左下)など狛江を拠点にするバンドも月1回演奏、これまでのべ数百グループが出演した。
 若い時から演劇や音楽活動を続けてきた古角さんは「狛江でライブ・バーは定着しないと反対する声もあったけれど、みんなに支えられてようやく10年を迎えられます」と喜び「人生は良いときも悪いときもあり、どんな人もブルースを感じることがあると思う。たまにはおとなの止まり木に腰かけ、ゆっくりしませんか」と話している。

2006/09/16(Sat) 15:28


  もうすぐ10年目

おかげ様にて、もうすぐ店も10年目に入る。昨今長引く不景気の中、正直よくもったと思う。
これと言った、とりえもサービスもない店に本当によく足を運んでいただいた。
そして、たくさんの素敵な方達ともお知り合いになれたことは、この上ない幸せである。
衷心より厚く御礼を申しあげさせていただきたい。

開店当初、興味本位でいらっしゃる一見のお客何人かに、「狛江でBAR? 何、週末はLIVE?ホウー、人来るの?まぁ、悪いけど半年もちゃーいいだろうねぇ。頑張ってね!」と言われた記憶が、今も鮮明に残っている。
生まれつき単純、かつ楽観的性格の私にとって、どれ程このような言葉が私を奮い立たせ励みにさせていただいた事か。こんな言葉を吐いた奴、いやいや、おっしゃったお方も、今では友人を連れ、心地よく止まり木に宿る良き常連となっている。時の流れというのは不思議なものである。
この先、何年続くか判らないが大好きな店と共に、また足を運んでくださるお客さん、ミュージシャンの方々とご一緒に人生を楽しんでゆこうと思う。

「ところで、アド・ナインスってどういう意味なの?」
「へい、あっしには、もう、アトがナインスよ。(後 無いんスよ)、
頑張ろっと!!

06.04(け)

2006/04/17(Mon) 15:33


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